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ボストン・レッドソックスの吉田正尚が7日(日本時間8日)、敵地でのフィラデルフィア・フィリーズ戦に「2番DH」で先発出場し、4打数2安打だった。
連続試合安打を16に伸ばすとともに13度目のマルチ安打も記録し、打率は.321に上昇した。チームは1-6で敗れ、連勝は8でストップした。
■現地実況も興奮「アメージング」
吉田は1回、カウント1-0からフィリーズ先発タイワン・ウォーカーの外角低めスプリットを捉えると左前へ運んだ。第1打席から巧みなバットコントロールを見せ、いきなり16試合連続安打をマーク。現地実況も「アメージング」と伝える打撃技術だった。ただ、次打者ライメル・タピアの時にけん制死を喫し、反省点も残った。
続く第2打席は遊飛に倒れたが、第3打席でも右前打を放ちマルチ安打を達成。4打席目は投ゴロに倒れ、この日は4打数2安打で打率は.321となった。
米メディア『ESPN』は「今や吉田より勢いに乗っている打者は球界にいない」と称賛。チームメートのジャスティン・ターナーも先日、「彼は熟練した打者だ。学ぶことや準備の仕方を知っている。才能と準備が混ざり合えば、良い結果が得られる。本当に状況判断に優れたバッターだ」と話していたが、その通りの打撃を披露した。
ただ、この日メディアを賑わせたのは、吉田の打撃ではなく、守備についての話題だった。『ESPN』や米複数メディアによると、レッドソックス以外の球団が吉田獲得に二の足を踏んだ理由は「守備面がメジャーレベルではないと判断したから」と紹介。打撃より守備面に懸念が示されていた裏側が明かされた。
実際、開幕からここまで、守備に関してはその懸念が当たっている。守備WAR(同じポジションの代替可能選手に比べ、何勝上積みできるかを示す評価指標)はマイナス0.4で、トリスタン・カサスと並びチームワーストであり、メジャー全体でもワースト4位となっている。
そのほか、MLBのデータサイト『Baseball Savant』の守備指標(打球への反応スピードやジャンプ力など)でも軒並み下位にランクされている。
それでも多くのメディアは「チームは吉田のこれまでの打撃に満足せざるを得ないだろう」と指摘。下位ランクの守備力を補って余りある打撃に賛辞を贈ると同時に、守備を気にするあまり獲得を断念した他球団に批判的な目を向けていた。
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文●SPREAD編集部