【日本代表】久保建英と三笘薫、最多得点記録樹立の日本サッカー“史上最強デュオ”を活かす秘策は「偽9番」か… | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【日本代表】久保建英と三笘薫、最多得点記録樹立の日本サッカー“史上最強デュオ”を活かす秘策は「偽9番」か…

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【日本代表】久保建英と三笘薫、最多得点記録樹立の日本サッカー“史上最強デュオ”を活かす秘策は「偽9番」か…
【日本代表】久保建英と三笘薫、最多得点記録樹立の日本サッカー“史上最強デュオ”を活かす秘策は「偽9番」か… 全 1 枚 拡大写真

昨年末のFIFAワールドカップカタール2022で、強豪ドイツとスペインに勝利し、ベスト16に進出したサッカー日本代表は、最新のFIFAランキングも20位に上昇した。『キリンチャレンジカップ2023』では15日にエルサルバドル代表(75位)、20日にはペルー代表(21位)と対戦する。

注目は、スペインのラ・リーガで出場35試合9得点4アシストのMF久保建英(レアル・ソシエダ)と、イングランドのプレミアリーグで出場33試合7得点5アシストのMF三笘薫(ブライトン)の共演。ともに両リーグで、日本人選手のシーズン最多得点記録を樹立。日本サッカー史上最強のデュオとなる可能性も秘めた2人は、森保ジャパンのサッカーにどのような化学反応をもたらすのか。

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■「欧州最強」を争う“2強リーグ”での記録樹立

「欧州最強リーグはどこか」。

「UEFA(欧州サッカー連盟)カントリーランキング」は、UEFAチャンピオンズリーグを筆頭とする欧州を舞台にした大会での成績をポイント化し、所属するリーグごとに集計して算出したランキングのこと。実はこのランキングは21世紀になって以降、イングランドかスペインがトップに立ち続けている。

久保と三笘の日本人最多得点記録は、「欧州最強」を争う2つのリーグで達成されたからこそ、大きな価値がある。久保にいたってはソシエダのファンが選出する「年間最優秀選手」にも選出されたほどだ。

■ボールを保持できるチームでポテンシャルが開花

左利きの久保と右利きの三笘は利き足とは逆サイドでプレーするウイングのポジションを得意とするアタッカーだが、明確な違いがある。

三笘は左サイドに開いてボールを受け、中央へドリブルでカットインしながらのシュートやラストパスによって得点やアシストを量産する。また、縦方向の突破力に長けたチャンスメーカーでもある。

対して、久保はワンツーやショートパスを駆使して周囲との連携で局面を打開する。ドリブラーでもあるが、時には司令塔役も担う多彩なアタッカーである彼にとって、ドリブルは選択肢の1つに過ぎない。

2人はともにボールを持ってこそ、その特大のポテンシャルが発揮される。データサイト『Opta』によると、久保が所属するソシエダは今季リーグで4番目に高い55.13%、三笘のブライトンもリーグで2番目に高い61.5%、ともに高い数値のボール支配率を記録するチームだ。久保も三笘も自身の特徴に合ったチームでプレーできたことが、今季の覚醒につながった。

■日本史上最強デュオを活かす秘策

では、日本代表で久保の類い稀な才能をどう引き出すのか、ヒントは2つある。

まずは、久保自身が3試合連続の先制点を挙げた東京五輪代表チームだ。久保は[4-2-3-1]のトップ下だったが、右ウイングでプレービジョンを共有できる左利きのMF堂安律(フライブルク)と頻繁にポジションを入れ替え、流動的な攻撃を披露。それはソシエダで元スペイン代表MFダビド・シルバと奏でる極上のハーモニーに近いだけに、堂安との共演は捨てがたい。

そして、2つ目は、「ボール支配率を上げる」ことだ。練習に時間を割けない代表チームでそれを実行するには、ボール支配率の高いチームでプレーする選手を集めるのが得策だ。トップ下にはドイツで5番目に高い支配率(53.4%)を記録するフランクフルトで9得点6アシストを挙げたMF鎌田大地が外せない。ボランチは新主将に就任したMF遠藤航(シュツットガルト)と、ポルトガル屈指の技巧派集団で主力を張るMF守田英正(スポルティング)でコンビを組むと、支配率は自然と上がるだろう。

そうなると久保自身のポジションが問題となるが、そこで未だ柱となるFWが不在の1トップに久保を起用する「偽9番」を採用するのはどうか。

久保は「和製メッシ」と形容されるように、カタールW杯で母国を優勝に導き、自身も大会MVPに選出されたアルゼンチン代表FWリオネル・メッシに近いプレースタイルをもつ。そのメッシがバルセロナで全盛期を迎えた際のポジションが「偽9番」だった。表記上はセンターフォワードに配置されたメッシだが、多くの時間を中盤のエリアで過ごした。そして、ゴール前に誰もいないスペースを作り出し、そこにメッシ自身や他の選手が飛び込んで得点を狙う戦略は、スペインではこの役割を「ファルソ・ヌエベ」(直訳すると、「偽9番」、9番はセンターフォワードを示す)と表現された。

三笘や鎌田、堂安らの2列目だけでなく、今季は3列目の遠藤が5得点、守田も6得点と、日本のMF陣は得点力が高い。カタールW杯を経て、より攻撃的なチームへとアップデートすることを模索している日本代表にとっても、久保の「偽9番」は最適な戦略となる。森保監督は3月のウルグアイ戦で「偽SB」を採用しただけに、今回は「偽9番」を試す可能性もあるだろう。

日本代表は15日、豊田スタジアムでのエルサルバドル戦を迎える。久保にとっては4年前の代表デビュー戦の相手。そして、久保が代表戦で唯一挙げたゴールをアシストしたのは、三笘だった。久保と三笘の共演には今まで以上に期待がかかる。

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文●新垣博之(しんがき・ひろゆき)

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