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女子ゴルフの国内第18戦「資生堂レディスオープン」(神奈川県・戸塚カントリー倶楽部/6605ヤード、パー72)が29日、開幕する。
昨季は、青木瀬令奈が大会新の14アンダーで通算3勝目を飾った。「全米女子オープン」前、最後の試合とあって、山下美夢有は出場しないものの、全米組はこの大会で勢いをつけペブルビーチに乗り込みたいところだ。
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■パーオンホールの平均パット数を重視
自生の松や桜など2万本の樹木に囲まれ、池、バンカーの数も多く、スコアを出すためにはグリーンに向かうショットの正確性と、傾斜があって速い砲台グリーンをいかに攻略するかが鍵といわれる「戸塚カントリー倶楽部」。
過去3大会の優勝者の顔触れを見ると、どんな選手がこのコースに強いかが分かる。2022年・青木、21年・鈴木愛、19年・渋野日向子。いずれもパットの名手といわれる選手だ。それを裏付けるデータとして、3選手の優勝年の平均パット数を以下にまとめた。
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3選手ともが、パーオンホールの平均パット数、1ラウンド当たりの平均パット数の双方で上位につけていることが分かる。このへんがパットの名手と呼ばれるゆえんだろう。では、今季の平均パット数がどうなっているか。
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パーオンホールの平均パット数、1ラウンド当たりの平均パット数の双方でトップ10入りしている選手の名前を太字にした。5人いるが、山下、上田桃子は未出場、吉本ひかるはここ2戦、棄権、欠場と状態が良くない。残るは岩井千怜、青木である。
優先順位を考える上では、どちらのスタッツを重視すべきかがポイントになる。1ラウンド当たりの平均パット数が少ない=おしなべてパットがうまい選手といえる。一方、パーオンホールの平均パット数が少ない=パーオンホールでバーディを取る確率が高い選手である。であれば、後者をより重視すべきだろう。
こう考えていくと、優勝の最有力候補は岩井ツインズの妹・千怜、次いで青木になる。千怜には新たなパットの名手としての活躍を望みたい。
千怜は、菅沼菜々、神谷そらとのペアリングで、10番から7時55分にティーオフする。2連覇を狙う青木は、吉田優利、小祝さくらとともに、7時50分、1番スタートとなる。
今週は、はざま世代の3人にも注目したい。横浜市出身の鶴岡果恋にとって戸塚はホームコース、地の利が生かして上位争いに食い込みたい。稲見萌寧は前週久々の優勝争いを演じ、強いときの稲見に戻ってきた。そして菅沼奈々はここ3戦でトップ10入り2回。稲見には復活優勝を、鶴岡、菅沼には初優勝を期待したい。
■有力選手のペアリング
なお、有力選手の主なペアリングは以下の通り。
1番スタート/7:40/平岡瑠依、山内日菜子、渡邉彩香1番スタート/7:50/吉田優利、小祝さくら、青木瀬令奈1番スタート/8:00/野澤真央、吉本ひかる、森田遥1番スタート/8:30/金田久美子、後藤未有、笠りつ子10番スタート/7:25/安田彩乃、穴井詩、竹田麗央10番スタート/7:45/金澤志奈、川岸史果、佐藤心結10番スタート/7:55/岩井千怜、菅沼菜々、神谷そら1番スタート/12:00/脇元華、菊地絵理香、永峰咲希1番スタート/12:10/岩井明愛、川﨑春花、桑木志帆10番スタート/11:45/岸部桃子、尾関彩美悠、高橋彩華10番スタート/11:55/佐久間朱莉、大里桃子、安田祐香10番スタート/12:05/櫻井心那、木村彩子、稲見萌寧10番スタート/12:15/鶴岡果恋、内田ことこ、山路晶
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文●河野道久