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優勝した根附海龍 撮影:小嶋勝美
勝てば世界最高峰のスケーター達が集う「ストリートリーグ(Street League Skateboarding、以下SLS)」の予選に出場できる大会が、ついに日本で開催された。
ジャパンストリートリーグ(JAPAN STREET LEAGUE、以下JSL)2023年シーズン第2戦-SKATE COLLOSSEUM-が埼玉県所沢市にあるSKIP FACTORYにて開催され、19歳の根附海龍(ねつけかいり)が優勝。根附はこの結果を受けて次回のSLSセレクトシリーズ(SLSに出場する為の予選大会)への出場権を手にした。
準優勝は16歳の佐々木音憧(とあ)、3位が14歳の藪下桃平(ももへい)となった。
◆前編 【JAPAN STREET LEAGUE】2023第2戦 根附海龍が世界最高峰への挑戦権を獲得、繋がったSLSへの道
■ヒールフリップマスターがセレクトシリーズへ・根附海龍
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根附海龍/ヒールフリップ フロントサイドノーズスライド 撮影:小嶋勝美
昨年のJSL2022年シーズンのチャンピオンである根附海龍は、決勝のランで今大会唯一の90点台を叩き出し、ベストトリックへと駒を進める。
ベストトリックでは珍しくも、1本目と2本目を連続でミスしてしまい、一瞬心配になるシーンもあったが3本目ではしっかりとノーリーインワードヒールフリップ フロントサイドボードスライド(利き足と逆の足で飛び上がり、ボードを空中で横に半回転と縦に1回転させる技)をサムライヘッドで決め83.37点を獲得。
4本目には6段ステア(階段)のハンドレールでヒールフリップバックサイドテールスライド(かかとで板を縦に1回転させてからボードの後ろ側先端でレールを滑る技)をきっちり決めヒールフリップ(かかとでデッキを1回転させる技)マスターの称号にふさわしい滑りを見せての優勝となった。
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根附海龍/ランの最後に見せたバックサイドK(クルックド)グラインド ノーリーフリップアウト 撮影:小嶋勝美
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根附海龍/ノーリーインワードヒールフリップ フロントサイドボードスライド 撮影:小嶋勝美
優勝後のインタビューでは「SLSの予選でも出たかったのでちゃんとゲット出来て嬉しいです」と話し、今後について聞かれると「世界の大会とZERO(自身がサポートを受けるデッキブランド)のパート撮影も頑張っていきたい」と話した。
根附選手は2024年パリオリンピック予選ツアーにも参加しており、つい先週にローマでの予選大会を終えたばかりの参戦だった。
■日本屈指のハンマートリッカー・佐々木音憧
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佐々木音憧/ランで見せたトランスファー フロントサイドノーズブラントスライド 撮影:小嶋勝美
根附選手同様、先週のパリオリンピック予選ローマ大会からすぐの参戦となった佐々木音憧。
JSL第1戦では衝撃的なハンマートリック(大きなセクションで行う難易度の高いぶっ飛び技)の連続で、海外のSNSからも多くの反響があり話題になった。
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佐々木音憧/キャバレリアルノーズブラントスライド 撮影:小嶋勝美
同じく決勝に進んだ、兄の佐々木来夢がランで89.43点の高得点を出していたが、ベストトリックでは1本目で捻挫をしてしまい、本当に残念ながら途中棄権となってしまったが、弟の音憧はベストトリック1本目と2本目をしっかり決め、3本目以降に確実に90点台を狙えるトリックで攻めてきたが、残念ながら決めきることは出来なかった。しかし最後まで攻めきる姿勢を見せ、見事な準優勝だった。
■スタイリッシュでテクニカル・藪下桃平
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藪下桃平/ハードフリップ バックサイドリップスライド 撮影:小嶋勝美
キックフリップ(ボードを空中で縦に1回転させる技)からのトリックで、巧みにデッキを操るテクニカルな動きで並み居る強豪の中、14歳ながら3位表彰台の藪下桃平(ももへい)。
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藪下桃平/バックサイド270キックフリップ リップスライド 撮影:小嶋勝美
決勝のランでは69.87点と8人中6位でベストトリックに臨んだが、ベストトリック4本目では自身が270度横に回転しながらデッキを縦に1回転回し、レールの上を滑り降りる大技バックサイド270キックフリップリップスライドを完璧に決めて90.03点を獲得。
日本の歴史に残る大会で、大きな存在感を見せた
■ついに繋がったSLSへの道
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撮影:小嶋勝美
今回のJSLは一味も二味も違う。理由は冒頭でも説明したとおり、SLSへの道が繋がったからだ。これはとても重要なことであり、歴史的なことと言える。
ストリートリーグと言えば、ナイジャ・ヒューストンや堀米雄斗を始め、人気実力共に世界トップスケーター達がしのぎを削って年間王者を狙いにくる大会。そのストリートリーグは長らく招待制のみで(東京五輪予選の大会になった時を除く)、出場すること自体が大きなハードルだった。
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JSL創設メンバーの内の2人。立本和樹(左)と中澤弘純(右) 撮影:小嶋勝美
そんな夢のまた夢のような大会へ繋がるべくJSLの運営チームは奮闘し、選手達が最高のパフォーマンスで応え続けてくれ、今回SLS予選大会であるセレクトシリーズへの出場権を1枠獲得することができた。
JSLの運営チームはほぼ全員が、現役で今も滑り続けているスケーター達だ。
今大会は日本のスケーターに「ジャパンドリームを作ってあげたい」と語った主催者の一人、立本和樹氏の想いが1つ繋がった記念すべき大会でもあった。願わくばこれが今回限りとならずにこれからも末長く、日本のスケーター達のため、世界へ繋がる大会であり続けてほしい。
そのために彼らはこれからもスケートボードと共に走り続ける。
■SKATE COLLOSSEUMリザルト
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撮影:小嶋勝美
1位・根附 海龍-257.37(91.20/83.37/82.80)2位・佐々木 音憧-241.46(79.73/78.73/83.00)3位・藪下 桃平-239.57(69.87/79.67/90.03)4位・山附 明夢-223.46(71.73/71.50/80.23)5位・齋藤 丈太郎-150.17(76.17/0.00/74.00)6位・渡辺 星那-140.73(60.10/0.00/80.63)7位・佐々木 来夢-89.43(89.43/0.00/0.00)8位・齋藤 吟平-55.60(55.60/0.00/0.00)※()内はスコア内訳◆【UPRISING TOKYO】新・国際大会を制した堀米雄斗と上村葵 〜スケボー最高の瞬間と受け継がれるStyle is Everything〜前編
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■著者プロフィール
小嶋勝美●スケートボードライター
スケートボードライター兼放送作家で元芸人のスケーター。スケートボード歴は一応25年くらい。