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ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平が11日(日本時間12日)、シアトル・マリナーズの本拠地Tモバイル・パークで行われたオールスターゲームにア・リーグの「2番DH」で先発出場。空振り三振と四球の1打数無安打に終わり、球宴における初本塁打は出なかった。
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■「オフにはシアトルに来ている」と明かす
異例のチャントがスタジアムを包み込んだ。大谷が打席に入ると、満員のスタンドから「カム・トゥー・シアトル(シアトルに来て!)」の大合唱。夏のトレード期限が間近に迫り、去就が注目されているなかで、マリナーズファンからのラブコールだった。
マリナーズと同じア・リーグ西地区のライバルチームに所属する選手への声援は、きわめて異例。球宴選手たちも珍しそうにスタンドを見回していた。
記者会見に出席した大谷は、“シアトルに来て”コールについて「経験したことないですね。聞こえてはいたが、打席に集中していた」と振り返った。さらに、シアトルのファンや街の印象について聞かれると「熱もあるし、来た時にはいつも素晴らしいファンだと感じている。ここ2年くらいオフシーズンはシアトルに来ていた。街もきれいだし、素晴らしい所だなと思う」と回答した。
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MLBオールスター2023に出場した大谷翔平 (C) Getty Images
地元マリナーズの若きスター、フリオ・ロドリゲスは大谷について「彼とは少し話をしたが、シアトルへ来るかどうか具体的な話は何もなかった。私から彼に2、3質問をしただけ」と明かしたが、スタンドから沸き上がったコールについては「あれはカッコ良かった。街全体が一体となったようで非常に興味深いことだった」と話した。
■面下で移籍へ向けた動きが活発化している
ア・リーグを率いたダスティ・ベイカー監督は「実際には多くの人がショウヘイのためにロビー活動をしていると思う。そして、それは彼への愛情の表れであり、彼を欲しているということ」と水面下で移籍へ向けた動きが活発化していると踏み込んだ。
大谷は会見で「他球団の選手から、来年ウチのチームで一緒にやろうと誘われたか」と質問されると「まあ、秘密ですね。言われていたとしても言えない」と笑った。
ここ10試合で9敗しているエンゼルス。もし失速が止まらなければ、「ない」とされてきた大谷のトレードも現実味を帯びてきそうで、「オールスター明けのカードで好転しなければ情勢が変わるかもしれない」とする米メディアもあった。ファンから自然発生的に飛び出した異例のラブコールが実るのか、移籍市場から目が離せなくなった。
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文●SPREAD編集部