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PGAツアーメジャー第4戦「第151回全英オープン」は20日、ロイヤル・リバプール・ゴルフクラブ(イングランド/7383ヤード、パー71)で開幕する。
最古のメジャー大会と言われる本トーナメントには、昨年の覇者であるキャメロン・スミスや、前週のジェネシス・スコットランド・オープンで今季2勝目を飾ったローリー・マキロイらが出場予定。
日本からは、松山英樹を始め、比嘉一貴や現在欧州ツアーで活躍する星野陸也、平田憲聖、岩田寛、金谷拓実、中島啓太、蟬川泰果、安森一貴の9名が出場する。
今年も混戦が予想されるなか、海外ブックメーカー大手である「William Hill」は、19日時点での優勝オッズを公開した。
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■海外ブックメーカーの優勝予想では、日本勢は厳しい
19日時点での主要選手と日本人選手の優勝オッズは以下の通り。
8倍:ローリー・マキロイ8.5倍:スコッティ・シェフラー12倍:ジョン・ラーム17番:キャメロン・スミス21倍:ブルックス・ケプカ、ビクター・ホブランド、トミー・フリートウッド、リッキー・ファウラー61倍:松山英樹401倍:星野陸也、中島啓太、金谷拓実751倍:比嘉一貴、蟬川泰果、岩田寛1001倍:安森一貴、平田憲聖
前哨戦であるスコットランド・オープンを制し、勢いのあるマキロイが2週連続で優勝するという見方が強い。2014年以来の全英オープン制覇なるか注目だ。
次点では今季安定したゴルフを続けているシェフラーが8.5倍と支持を集め、初の全英オープン制覇に期待が寄せられている。
一方日本勢は松山が61倍で唯一上位30名のなかに入るも、過去3度予選落ちをしている相性の悪い全英オープンということもあり、優勝への期待は薄い。また、今季国内男子ゴルフを盛り上げている中島や金谷、蟬川といった選手たちの事前オッズは401倍~751倍、ミズノオープンで注目を浴びた安森、平田は1001倍と、非常に厳しい評価となっている。しかし、「1日のなかに四季がある」と言われるほど天候に左右されることが多い全英オープンであれば、誰でも等しくチャンスがあると見て良い。
2003年にロイヤル・セントジョージズで行われた全英オープンでは、当時ツアールーキーで無名の選手だったベン・カーティスが最終日に午前組でスタートし、通算1アンダーでホールアウト。午後になり天候が急激に悪化し、有力選手たちが次々とスコアを崩してしまい、結果として天候が崩れる前にホールアウトしていたカーティスが、そのまま優勝を飾った。
全英オープンでは他のメジャー大会よりも「運」に左右される傾向が強く、カーティスの優勝はその最たる例となっている。なおデジタルメディア『World Wide of Sports』によればこの際のカーティスのオッズは501倍だったという。つまり今回の中島よりもさらに大穴だったわけだ。
今年出場する日本勢は、ブックメーカーのオッズを見ても松山以外は優勝争いに加わる可能性は非常に少ないという見方が強い。しかし、天候を味方につけられれば、2003年のカーティスのように「シンデレラボーイ」になる可能性も十分にある。
最古のメジャーである全英オープンで、日本勢のなかから勝利の女神に気に入られる選手は出てくるだろうか。日本男子ゴルフ界をリードする選手たちの熱闘に期待したい。
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文●SPREAD編集部