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イングランド・プレミアリーグのアーセナルに所属する日本代表DF冨安健洋は21日(日本時間22日)、第2節クリスタルパレス戦に左サイドバックで先発出場したが、2度の警告を受けて退場した。試合はアーセナルが数的不利に陥るなか、1-0で勝利。開幕2連勝を飾った。
◆【実際の映像】冨安健洋、今季初先発も痛恨の2枚目警告で退場… 英で物議をかもす“疑惑の判定”
■退場に不満「コメントしない」
冨安はこの試合、4-3-3の左サイドバックで先発。序盤から攻守に渡って安定したプレーを披露し、最終ラインを引き締めた。
不穏な空気が漂ったのは、後半15分。冨安のスローインが遅延行為と見なされ、まず1枚目のイエローカード。そして、その7分後には相手FWジョルダン・アイェウを倒したとして、2枚目のイエローカードが提示され、退場処分となった。
いずれも疑問を挟まずにはいられない警告で、アーセナルを率いるミケル・アルテタ監督は試合後、「(退場に当たらないことは)明白なのでコメントする気はない」と話したほど。特に1枚目の遅延行為判定はイングランドでも物議を醸しており、英公共放送『BBC』は「今後に大きな影響を与える」と指摘した。
■開幕2節でイエローカード乱発
問題のシーンは、当初ドイツ代表MFカイ・ハフェルツがスローインのために15秒間ボールを持っていたが、ハフェルツは冨安にボールを渡してスローワーを変更。ボールを受け取り、投げ入れようとした冨安に対して、8秒後に“時間稼ぎ”として警告が出された。
『BBC』によると、「今季からレフェリーは遅延行為やファウルに対して厳しく取り締まるようリーグから指示を受けている」そうで、開幕2週間でファウルによるイエローカードは18枚、遅延行為によるイエローカードは14枚に達したという。昨季は総イエローカードが174枚だったため、『BBC』は「この段階で計32枚ということであれば、今季は608枚のイエローカードが出されることになる」と記した。
■8秒なら8秒で「一貫性が必要」
アルテタ監督は冨安が8秒で遅延行為と見なされたことについて、「我々が求めているのは一貫性。何が問題で何が問題でないのか理解するために、今後はストップウォッチが必要になるかもしれない」と皮肉交じりに話し、遅延行為の基準が不明な点を憤った。
冨安のケースは後半15分に発生したが、同9分にアーセナルが先制点を挙げており、早く同点に追いつきたいホームのクリスタルパレスサポーターからすれば、冨安の行為は“時間稼ぎ”に映ったかもしれず、ヤジも飛んだ。実際、主審もサポーターのブーイングに気圧されて、カードを提示したと感じた人も少なくなかったようだ。
リードしているチームが、前半終了前や試合終盤に時間を使って時計の針を進めようとするのは常套手段。これが許されないとなると、「(新ルールに)慣れるまで時間がかかる」(アルテタ監督)。
■76歳の名将は「どうこう言えない」
一方、クリスタルパレスの指揮官ロイ・ホジソンは余裕の構え。50年におよぶ指導者歴を誇る76歳の名将は、敗戦にもかかわらず「残念なところはほとんどなかった」とコメント。
ルールの解釈変更も幾度となく経験してきているだけに、「これらのルールとアイデアは押し付けられたもので、我々がどうこう言えることはあまりないが、それらとともに生きていく方法を学ぶしかない」と英スカイスポーツに対して語ったという。
41歳アルテタ監督は憤慨し、超ベテラン監督は楽観的。勝敗の行方とともに、指揮官の見解もリーグ戦に花を添えている。
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文●SPREAD編集部
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🏴23-24 プレミアリーグ🏴
冨安が退場に…
\クリスタルパレス戦で先発出場した #冨安健洋 。
好プレー披露も2枚目のイエローカードで退場処分に…📱#SPOTVNOW 無料登録でハイライトを観よう!
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