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ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平は28日(日本時間29日)、敵地でのフィラデルフィア・フィリーズ戦に「2番DH」で先発出場し、4打数1安打1四球1三振だった。チームは4-6で敗れ、2連敗。借金は6となり、ワイルドカードでのプレーオフ進出も一層険しいものとなった。
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■移籍先候補筆頭はやはりド軍か
大谷は第1打席、相手先発タイワン・ウォーカーの直球を中前へクリーンヒット。打球速度106.1マイル(約171キロ)を記録する強烈なライナーで、2試合ぶりの安打をマークした。4回の第3打席ではメジャートップ、今季19個目の申告敬遠で出塁。この日は4打数1安打1四球で、打率は.304となった。
23日(同24日)に右肘じん帯損傷が判明し、今季の登板が消滅した大谷。しかし、今オフに迎えるフリーエージェント(FA)市場での人気は相変わらず高い。24日(同25日)には『ニューヨーク・ポスト』のジョン・ヘイマン記者が「負傷したとはいえ、今でもロサンゼルス・ドジャースが大谷獲得候補の筆頭」と伝えれば、ドジャース専門メディア『ドジャース・ネーション』も「大谷は野球界で最高の選手。アンドリュー・フリードマンGMたちが、彼を説得できることを期待している」と続いた。
■生え抜きが育ち「勝てるチーム」へ
そのほか、『シアトル・タイムズ』電子版は28日(同29日)、「大谷のシアトル・マリナーズ入団が理にかなっているワケ」と題して、記事を公開。「大谷は勝利を望んでおり、マリナーズならそれができる」とし、大谷の希望に合致するチームだと伝えた。ア・リーグ西地区で首位に立つマリナーズだが、これまでワールドシリーズに出場した経験はない。それでも「勝てるチーム」と胸を張ったのは、メンバー編成が充実しているからにほかならない。
特に投手陣はメジャー全体トップの防御率3.66を誇り、WHIP(投球回あたりの与四球・被安打数合計)も1位となる1.17を記録。快進撃を続けるチームの原動力となっている。
今季11勝を挙げているエースのルイス・カスティーヨや12勝のローガン・ギルバート、10勝のジョージ・カービーをはじめ、ブライス・ミラーやエマーソン・ハンコック、ブライアン・ウーら若手も頭角を現し始めている。ここに現在戦列を離れている左のエース、ロビー・レイが戻ってくることを考えれば、いよいよ盤石。しかも、カスティーヨとレイを除けば、彼らはいわゆる生え抜きで、育成システムが機能していることを証明している。
野手陣にも昨季新人王のフリオ・ロドリゲスら有望な若手がおり、黄金時代の到来を予感させる編成となっているため、『シアトル・タイムズ』は「マリナーズは、大谷が望む勝つチームに合致する」と断言した。
右肘次第という面があるものの、大谷の次期契約はやはり破格になると予想されている。しかし、球団には支払い能力があると記すとともに、マリナーズがドジャース優位の下馬評に待ったをかける存在として急浮上していると指摘した。
マリナーズのCEO(最高経営責任者)ジョン・スタントン氏も先日のトークイベントで、FAとなる大谷の争奪戦に乗り出す意向を示唆していたが、果たしてどうなるか。7月のオールスターゲームで自然発生した「シアトルへ来て!」の大合唱が示すように、地元ファンは、大谷の力でワールドシリーズ初制覇を成し遂げるというプランを支持していることは間違いない。
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文●SPREAD編集部