【ラグビーW杯】開催国の仏か、前王者の南アか……4年前の感動と興奮を再び味わうための「有力チーム戦力分析」 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【ラグビーW杯】開催国の仏か、前王者の南アか……4年前の感動と興奮を再び味わうための「有力チーム戦力分析」

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【ラグビーW杯】開催国の仏か、前王者の南アか……4年前の感動と興奮を再び味わうための「有力チーム戦力分析」
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本命不在。混沌とした優勝争いだ。

4年に一度のラグビーの祭典、ラグビーワールドカップ2023フランス大会が、いよいよ8日に開幕する。4年前の日本大会の感動と興奮をもう一度、味わいたい。今回はテレビ観戦の参考になる大会の見どころ、そして有力チームの力関係の分析する。ジャパンが入るプールDの展望は改めて行う予定だ。

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まずは優勝候補だが、ズバリ大混沌。これほど本命不在のワールドカップも初めてではないか。本戦に参加する多くのチームは、1カ月にわたるサマーネーションズシリーズを戦った。通常ならここで力関係がおおよそはっきりするものだが、そうはいかなかった。

個人的には、1年前の絶不調から脱し、ザ・ラグビーチャンピオンシップ(南半球4カ国対抗戦)を強い内容で全勝優勝したニュージーランドを本命視していた。ところが満を持して最終週に登場したオールブラックスは、南アフリカに7-35と敗れてしまった。しかも、70分まで0-35、あわや零封という完敗だった。ニュージーランドの最新ランキングは4位。8日、フランスとの開幕戦でどんな戦いをするか、ハラハラドキドキだ。

■アイルランド、フランスが初優勝を狙う

現在、ランキング1位はアイルランドだ。2~3月に行われたシックスネーションズではグランドスラムを達成して5年ぶりの優勝、サマーネーションズシリーズも3試合全勝だった。しかし、8月27日のサモア戦は17-13の辛勝。主力のシアン・ヒーリー(PR)が負傷退場するアクシデントもあった。38歳のジョナサン・セクストン(SO)頼みのところもあり、盤石の強さとはいえない。

開催国で、一時はランキング1位になったフランスは、現在3位。サマーネーションズシリーズの4試合を3勝1敗で乗り切った。スコットランドとは1勝1敗と星を分けたが、8月27日にはオーストラリアを41-17と圧倒して仕上がりのよさをアピールした。

地元開催のアドバンテージは、前回のジャパンの躍進を挙げるまでもなく明らか。アントワーヌ・デュポン(SH)はじめ、今大会を目標に育成してきた生きのいい若い選手がそろう点も好材料だ。悲願の初優勝を手にする可能性は十分にある。

■混戦に強い南アフリカ、台風の目はフィジーか

ランキング2位は、ディフェンディング・チャンピオンの南アフリカ。大きくて強いフォワードとタレントがそろうバックスは魅力的だ。大舞台での経験豊富な選手も多く、混戦に強い。キャプテンのシヤ・コリシ(FL)も、ケガから復帰した。当然、優勝候補の一角と考えていいだろう。日本のリーグワンで活躍する選手も多く、注目したいチームだ。

逆に不調なのが、ラグビーの母国、イングランド。サマーネーションズシリーズは1勝3敗と負け越し、特にフィジーには史上初めての白星を献上した(22-30)。自国大会で予選落ちした2015年の悪夢を彷彿とさせる。同様にエディー・ジョーンズ率いるオーストラリア、ウェールズという実績ある強豪も調子が上がらない。

台風の目となりそうなのがフィジーだ。ジャパンを7月に力でねじ伏せ、イングランドを敵地トゥイッケナムで粉砕した。フランス・リーグで戦う選手も多く、生き生きとプレーできそうだ。最新ランキングでは、同プールのオーストラリア、ウェールズ、さらにはイングランドも抜いて7位と評価されている。混戦の大会で、あっと言わせる存在になるか。

■6週間あまりにわたる戦いを制するのは……

ここまで有力チームの状況を見てきたが、あくまでも決勝戦は10月29日だ。試合をしながらチームのピークを上げていくのが強いチーム。2019年に優勝した南アフリカも開幕戦は黒星スタートだった。

また、7〜8月の試合は、どのチームもセレクションという大きな目的があった。試合結果だけを見て力関係を判断するわけにはいかない。まずは、プール戦での戦いを見ながら、本当のチーム力、主力選手たちの出来をチェックしたい。6週間の長い戦いが始まる。

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著者プロフィール

牧野森太郎●フリーライター

ライフスタイル誌、アウトドア誌の編集長を経て、執筆活動を続ける。キャンピングカーでアメリカの国立公園を訪ねるのがライフワーク。著書に「アメリカ国立公園 絶景・大自然の旅」「森の聖人 ソローとミューアの言葉 自分自身を生きるには」(ともに産業編集センター)がある。デルタ航空機内誌「sky」に掲載された「カリフォルニア・ロングトレイル」が、2020年「カリフォルニア・メディア・アンバサダー大賞 スポーツ部門」の最優秀賞を受賞。

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