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男子ゴルフツアーの第18戦「パナソニックオープンゴルフチャンピオンシップ」が、小野東洋ゴルフ倶楽部(兵庫県/7113ヤード、パー72)で、21日に開幕する。
本大会には昨年アマチュア優勝を果たした蟬川泰果や、昨年プロデビュー戦となった中島啓太、今季安定した成績を残す石川遼などが出場予定となっている。
若手の活躍が目覚ましい今季の国内ツアーだが、その中でツアー15年目のベテランが躍動している。それが永野竜太郎だ。
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■悲願達成なるか
永野はこれまでのプロ人生のなかでツアー優勝は一度もない。獲得賞金も2015年に記録した4890万4833円が最高という中堅どころの選手であった。
初優勝のチャンスが訪れたのは2021年のパナソニックオープン。最終日まで首位に立っていたものの、当時アマチュアだった中島啓太の猛追に遭い、勝負の行方はプレーオフへ。結果としては中島がプレーオフを制し、永野の悲願達成とはならなかった。
しかし、今季の永野は一皮むけた存在となっているようだ。
現時点での賞金ランキングを見ると、6132万527円で4位。今季まだ9試合を残した状況下で、すでに自己最高を記録している。また全米オープンで得た賞金2602万1762円を除いても、過去最高のペースで賞金を積み上げていることに変わりはない。
永野は今季13試合に出場しトップ10は4回、予選落ちは2回のみと安定。予選落ちを喫した日本ゴルフツアー選手権以降に出場した7試合では、トップ10入が3回、予選落ちなしと何度も優勝争いに名を連ねている。永野のスタッツを見ても今季の好調さが見てとれ、平均ストロークは70.228と自己最高の記録を残している。
永野の唯一の弱点はパー3を苦手としているところか。パー3の累計スコアを見ると23オーバー(95位)。バーディ率(パー3)も0.099%(84位タイ)とスコアを縮めることができていない。一方で、パー4、パー5でのバーディ率は高く、パー3で伸ばせなかったスコアをミドル、ロングホールで取り返せるかが優勝へのポイントとなりそうだ。
最高のシーズンを送る永野だが、次戦は2年前に初優勝を逃したパナソニックオープン。しかも相手が中島であったとはいえ、プロがアマチュアにプレーオフで負けるという歴史を作ってしまった大会でもある。
その悔しい2年前から永野はさらに進化した。今季の勢いであればいつ優勝してもおかしくはない。ツアー15年目の悲願達成なるか。
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文●SPREAD編集部