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2023年メジャーリーグのレギュラーシーズンは、いよいよ最終コーナーへ突入。各球団150試合前後を消化し、10試合ほどを残している。
大勢がほぼ決まったナ・リーグとは対照的に、ア・リーグが近年以上の大混戦。とりわけ西地区の優勝争いが激しく、ヒューストン・アストロズ、シアトル・マリナーズ、テキサス・レンジャーズの三つ巴状態となっている。
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■全球団唯一、ワールドシリーズ出場なし
首位アストロズを0.5ゲーム差で追うマリナーズは、残り10試合。22日(日本時間23日)から西地区2位タイで並ぶレンジャーズとの3連戦を迎える。その後アストロズと3連戦を戦い、再びレンジャーズと4連戦。ポストシーズンのような“絶対に負けられない”最終決戦が待ち構えている。
マリナーズは1977年の球団創設から、世界一はおろか、ワールドシリーズ出場の経験もないMLB唯一のチーム。2001年にイチローが入団し、佐々木主浩とともにア・リーグ西地区を制して以来、地区優勝からも遠ざかっている。チーム運営の舵取りを幾度となく誤り、長い低迷期間を経て、ようやく昨季ワイルドカード枠でポストシーズン進出を掴み取ったのは記憶に新しい。
投打で生え抜きが成長し、満を持して迎えた今季も序盤は乗り切れずいたが、オールスターを境にチームは快進撃を始める。8月に球団記録の月間21勝を挙げ、瞬く間に優勝争いへと食い込んできた。チームの中心となるのは、イチローの“愛弟子”こと、フリオ・ロドリゲスだ。
ロドリゲスは昨季メジャーデビューしア・リーグ新人王を獲得すると、今季も夏場に入って本領発揮。8月打率.429で月間MVPを受賞、オールスター以降は打撃3部門でトップを争うパフォーマンスを見せている。20日(同21日)には、史上3人目となる22歳以下での「30本塁打・30盗塁・100打点」を達成。チームナンバーワンの俊足に強肩強打、マリナーズの大躍進に欠かせない存在となっている。
01年にメジャー記録の年間116勝を挙げるも、リーグ優勝決定戦で敗れたマリナーズ。22年間遠ざかった地区優勝、そして悲願の世界一へ。“レジェンド”の遺伝子を受け継いだ新星とともに新たな歴史を築けるか。
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文●SPREAD編集部