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今オフにフリーエージェント(FA)となるロサンゼルス・エンゼルス大谷翔平の新天地として、ボストン・レッドソックスが急浮上している。米紙『ニューヨーク・ポスト』の敏腕記者、ジョン・ヘイマン氏が5日(日本時間6日)に伝えた。
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■「レ軍との結び付きが強まっている」
大谷のFAに関する話題で持ち切りの米メディア。ここまでの報道をまとめると、ロサンゼルス・ドジャースとニューヨーク・メッツが争奪戦の中心にいるようだが、球界きっての敏腕記者、ヘイマン氏はレッドソックスを指名した。
以前にもレッドソックスの名前が浮上したことはあったが、今回は同記者の影響力もあり、瞬く間に情報が拡散した。『ニューヨーク・ポスト』の見出しは「ショウヘイ・オオタニの獲得を巡り、レッドソックスが本物の脅威として浮上している」というもの。記事によると、大谷獲得を狙う別の球団幹部が「ショウヘイ・オオタニとレッドソックスの結び付きが強まっている。争奪戦のライバルとして脅威の存在だ」と話したという。
■「ニューバランス」本社はボストン
レッドソックスが有力視される根拠のひとつは、大谷が今季からニューバランスとスポンサー契約を結んだこと。ニューバランスは2015年に5億ドル(約740億円)を投じて、ボストンに最先端の新本社ビルを建設しており、大谷とレッドソックスがつながる理由になるとされている。また、過去には大谷と同社ジム・デービスCEOとの間に強い信頼関係があると報じられたこともあった。
ただ、ヘイマン記者がもっとも重視したのは、至ってシンプルなチーム事情。「おそらく一番大切なことは、4年間で3度の最下位に終わったチームは今後、バランスを取る必要があるということだ」と記し、来季は逆襲に転じると予測。そのためのゲームチェンジャーとして、大谷獲得に本腰を入れると示唆した。
■「ベッツのことを忘れさせてくれる」
低迷が続くチームに対して、ファンが満足していないことは明らかで、特に近年はビッグネームの流出が著しい。そのため「もしレッドソックスがオオタニを獲得すれば、ファンは(2020年にドジャースへ移籍した)ムーキー・ベッツのことを忘れることができるかもしれない」とし、スター選手が去って以降の喪失感を大谷で埋める可能性も指摘した。
同記者は大谷争奪戦に加わる球団として、レッドソックスのほかシカゴ・カブスやドジャース、そして現所属のエンゼルスを挙げた。ニューヨーク・ヤンキースについては「ヤンキースタジアムでの投球はあまり良くないものの、打撃ではOPS.972を記録しており、悪い印象はないはず」としたが、球団として獲得に乗り出すかどうか明言は避けた。争奪レースの予想で名前が頻発するメッツやサンフランシスコ・ジャイアンツには触れなかった。
レッドソックスに移籍した場合、吉田正尚とのWBCコンビ結成が期待されるが、吉田もDH候補のひとりであり、来季はDH専念が予想される大谷とかぶることになる。移籍交渉は一筋縄ではいかないだろう。
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文●SPREAD編集部