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ア・リーグ東地区で4位に終わり、今季7年ぶりにプレーオフ進出を逃したニューヨーク・ヤンキース。名門復活へ向けて、今オフの補強策はどうなるのか。米放送局『SNY』は6日(日本時間7日)、今オフにヤンキースが狙うべきフリーエージェント(FA)選手トップ10をランキング形式で発表した。
大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)は3位となり、山本由伸(オリックス・バファローズ)は2位。1位はコディ・ベリンジャー(シカゴ・カブス)となった。
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■獲るべきFA選手ランキングで3位
『SNY』のジョン・ハーパー記者は「ハル・スタインブレナー・オーナーはおそらく、もう十分にお金を使ったと考えているだろうが、2024年に優勝したいのであれば、さらに小切手を切る以外に選択肢はない」と補強を要請。「少なくともFAで大物選手と、さらにもう一人、(ビッグネームではなくとも)大物に次ぐレベルの選手と契約しなければならない」と訴えた。
その上で、同記者は獲得へ向けてターゲットとすべきFA選手10人をランク付けし、紹介した。注目の大谷は3位。「チームはゲリット・コール、アーロン・ジャッジ、ジャンカルロ・スタントン、カルロス・ロドンらメガ契約の選手を抱えている。オオタニとの契約に必要な金額は、オーナーが喜んで追加する投資を超えるだろう。もし、このような資金面での制約がなければ、当然ターゲットリストのトップに立つ」とした。
続けて記事は「25年まで投げることはできないが、オオタニの打者としてのパワーはヤンキースの攻撃に大きなインパクトを与える。しかし、オーナーがニューヨーク・メッツやロサンゼルス・ドジャースを出し抜き、最低必要な4億ドル(約596億円)を用意してまで手を挙げるかどうか分からない」とし、大谷獲得には予算を度外視したオーナーの決断が必要になると示唆した。
■山本は投手陣でナンバーワン評価
ハーパー記者が大谷を上回る2位に指名したのが山本。先月、ブライアン・キャッシュマンGMが来日し、投球を視察。球団も興味を隠しておらず、さらに同GMが観戦に訪れた試合で山本がノーヒット・ノーランを達成したこともあり、評価はうなぎ上り。同記者は「攻撃陣への投資を回避したいなら、FA市場でのターゲットはヤマモトがトップになるだろう」とし、投手のなかではナンバーワンとした。
ただ、山本も争奪戦に発展することは必至で、「メッツをはじめ複数球団との競り合いに勝たなければならない」と指摘し、大谷同様にここでも金銭面の問題が立ちはだかると予測した。
1位に推したベリンジャーについては「打席で違いを生み出せる選手の獲得を希望するなら、彼が最大の注目株」とし、今季打率.307、26本塁打、OPS.881をマークした左の大砲を称賛。20年に右肩を手術しており懸念する向きもあるが、記事は「健康を取り戻したベリンジャーを健康なジャッジらと同じラインナップに入れたら、ヤンキースの攻撃はおそろしく良くなるだろう」というスカウトのコメントを紹介し、不安がないことを強調した。
高給選手を多く抱えているため、意外にも無い袖は振れなくなっているヤンキース。大谷獲得へ向けて、ライバル球団と競り合うのか、それとも撤退するのか。名門の再建策に注目だ。
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文●SPREAD編集部