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今季オフにFAとなる、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平。チームに残留するか、新天地を求めて移籍するのか。連日のように現地メディアでも報じられ、その動向には大きな注目が集まっている。
今回は、MLBの公式データを元に、大谷が来季所属するチームが本塁打数にどのような影響を及ぼすのか検証してみたい。
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■ドジャースタジアムはセンターまでが短い
MLB公式『Baseball Savant』では、球場ごとの偏りを表す指標「パークファクター」が詳細に掲載されている。本塁打の出やすさを始め、打球の飛距離に影響する要素(風、標高、気温、屋根の有無など)が比較でき、各球団が目指すチーム作りにも理解を深められるのが魅力だ。
今季の大谷は打率.304、44本塁打、95打点。シーズン終盤は欠場し135試合の出場に留まったものの、自身初の本塁打王を獲得した。エンゼルスが本拠地とするエンゼルスタジアムの直近3年間のパークファクターは、平均を100とした場合でちょうど「100」の指標。打者にも投手にも有利不利が少ない球場という評価になっている。一方で、“本塁打の出やすさ”だけに限ると「112」まで跳ね上がる。これは、メジャー全体でも5番目に高い数値だ。
大谷の移籍先候補と目されているロサンゼルス・ドジャースはどうか。直近3年間のドジャースタジアムのパークファクターは「99」。投手有利の球場として知られるが、評価はほぼニュートラル。安打と三塁打が出にくく、それぞれの指標が「91」「70」と平均を下回っているものの、本塁打に限れば全体2位の「122」に。ドジャースの強力打線が数字を引き上げたと考えることもできるが、仮に大谷がドジャースに入団しても、本塁打数が減少する心配は無用だろう。
ドジャースタジアムは、他球場に比べて左中間と右中間が深い一方で、センターまでの距離が120メートルと短い。今季「センター方向」への本塁打数がメジャートップだった大谷にとっては追い風になる可能性すらある。今季大谷が“ドジャースタジアムのみでプレーした場合”は、45本塁打を打っていたという公式データがあるほどだ。
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文●有賀博之(SPREAD編集部)
Shohei Ohtani ties the game and the AL home run lead! pic.twitter.com/Pl7j3whMjp
— MLB (@MLB) June 13, 2023