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11日(日本時間12日)、プレーオフ地区シリーズで前田健太が所属するミネソタ・ツインズがヒューストン・アストロズに2-3で敗戦。1勝3敗となり、敗退が決定した。ポストシーズンに進出していたトロント・ブルージェイズ菊池雄星、ボルチモア・オリオールズ藤浪晋太郎もすでに敗退していたため、前田の終戦を受けて日本人メジャーリーガーの2023年シーズンがすべて幕を閉じた。
オフにフリーエージェント(FA)となるのは、大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)、前田、藤浪の3人。来季はどのチームでプレーするのか、注目が集まる。
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■試合を作れる前田には需要あり
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ミネソタ・ツインズの前田健太(C)ロイター/USA TODAY Sports
日本選手最後の砦として踏ん張った前田。2016年に結んだ8年契約を終え、試合後には「(8年間は)長くも短くも感じる。乗り切れて良かった」と振り返った。FAについては「野球人生で初めての経験になるので、不安もあるが楽しみでもある」と話し、その上で新天地については「特に希望はない。もらったオファーの中から決断したい」と現時点では白紙を強調した。
前田は2021年に右肘を手術し、復活した今季は21試合に登板して6勝8敗、防御率4.23という成績。しかし、「日米通算200勝(現在162勝)が目標」と明言している右腕は手ごたえを感じたようで、「(右肘の)不安はなくなった。最低でもあと5年は投げられる」と、すでに来季以降を見据えていた。
35歳という年齢は気になるところだが、今季も先発として試合を作る投球は披露しており、シーズン通してローテーションを守れることは証明した。現地では投手陣の層が薄いとされるシカゴ・カブスや再建の道を歩むニューヨーク・メッツなどが興味を持つだろうと言われている。
■公式「出て行っても驚かない」
前田と同様にFAとなる藤浪について、MLB公式サイトは「(藤浪含めてFAとなる)5選手全員が出て行ったとしても驚かない」と記し、オリオールズが再契約を結ばない可能性について言及した。特に藤浪とジャック・フラハティについては「夏のトレード期限前に加入したが、どちらの右腕もうまくいかなかった」と指摘した。
藤浪はオリオールズに移籍後、30試合に登板して防御率4.85。アスレチックス時代より良化したとはいえ、不安定さを払拭するには至らず、ポストシーズンでは26人のベンチ枠から外れていた。
地元紙『ボルチモア・サン』などによると、マイク・エリアスGMは今季を振り返り「球団が行った行為が100%正解だったわけではない」と認めつつ、特に「夏のトレードにおける結果が、ポストシーズンを勝ち進む原動力にならなかった」と嘆いたという。
GMが失望を隠さなかった以上、藤浪は新天地を探す必要がありそうだが、制球に問題を抱える投手にどれだけの需要があるか、現時点では不明だ。
米メディアは大谷の話題で連日持ち切りだが、同じくFAを迎える前田と藤浪の動向にも注目が集まる。
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文●SPREAD編集部