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今季オフにフリーエージェント(FA)となる大谷翔平。2024年シーズンはどのチームでプレーするのか。米メディアは連日のように二刀流の新契約に関する話題を報じている。下馬評では争奪戦をリードするのはロサンゼルス・ドジャースということになっているが、移籍情報を扱う米メディア『TRADE RUMORS』はドジャース加入への障害を報じた。
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■新天地に求められる条件は満たす
大谷の新天地として本命視されるドジャース。現地では移籍先候補としてニューヨーク・メッツやボストン・レッドソックスの名前も浮上しているが、大谷が「勝てるチームでプレーしたい」「ヒリヒリした9月を送りたい」と公言していることを考慮すれば、11年連続でポストシーズンに進出しているドジャースの優位は動きそうにない。
MLBの移籍情報を扱う米メディア『TRADE RUMORS』も「勝ちたいという願望を持つオオタニに対してドジャースという球団は説得力を持つ」と記し、相性の良さを指摘。さらに新契約が総額5億ドル(約745億円)に達するという予想にも「獲得の妨げにはならない。チームは来年だけでなく将来にわたっても十分な支出を実行できる」と説明した。また、以前から大谷は西海岸でのプレーを希望していると言われていることについても「ドジャースにとって有利な話。獲得の助けになるだろう」とつづった。
■大都市球団ならメディア対応必須
一見、相思相愛に映る大谷とドジャースだが、同メディアは加入への障害も提示した。1つは取材対応。「エンゼルス時代、オオタニは他のスター選手と比べて、英語メディアとの交流が少なかった。しかし、ドジャースという大きな市場を持つ球団に来た場合、スポットライトを浴びることを避けてきた彼の姿勢は維持できないだろう。もちろんチーム選びにおいて、彼自身がこれをどの程度重視するか分からないが……」と不安をのぞかせた。
さらに記事は、二刀流が描く今後のキャリアプランと球団の思惑が一致しない可能性に言及。「いつまで二刀流として起用するのか。(長期契約になるだけに)獲得を目指す球団によって考え方は異なるだろう」とした上で、「ある球団は彼が望むだけ先発で投げさせたいと思うだろうし、別の球団はしかるべきタイミングでブルペンへ移すというアイディアを持っているかもしれない。また、投手を断念した場合、外野手起用を視野に入れる球団もあるだろうし、年齢を重ねる中でDHに専念させたいと思う球団もあるだろう。そして、この議題は今オフに球団と代理人の間で取り上げられることになる」と予測した。
■キャリアプランを巡り交渉決裂も
つまり、キャリアプランについてドジャースと大谷サイドの間で意見が一致しないことも考えられ、その場合は移籍交渉がストップする可能性も否定できないという論調を展開した。
問題は他にも。今季ドジャースでDHを務めたJ.D.マルティネスが今オフFAになるため、同選手が移籍すれば大谷のDH起用はハマり、ラインナップとしては申し分ない。しかし、気になるのは大谷が加入しなかった場合。マルティネスは今季、打率.271、33本塁打、103打点をマーク。得点圏打率も3割を超えており、十分に仕事を果たした。
記事によれば、球団としては大谷が来ないならマルティネスと再契約したいと考えているようだが、“大谷の決断待ち”をマルティネスが受け入れるかどうかは不明。大谷獲りへ死角なしとされているドジャースだが、まだまだ情勢は不透明のようだ。
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文●SPREAD編集部