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プロ野球ドラフト会議2023が26日16時50分から都内で行われる。
ドラフト1位を事前に公言しているのは5球団のみと、会議前から駆け引きが展開されている。今年はどんなドラマが生まれるのだろうか。ドラフトの注目選手を振り返りたい。
■完成度の高い前田など今季は“豊作”
高校生の目玉は、U18(18歳以下)ワールドカップ(W杯)で日本を世界一に導いたエース左腕前田悠伍(大阪桐蔭高校)。今年の夏は不完全燃焼に終わったが、名門のエース兼主将を務めた逸材だ。今年9月のW杯決勝戦では7回1失点で完投し胴上げ投手となった。速球派ではないが鋭く曲がるスライダーや“魔球”と恐れられるプロ級のチェンジアップで打者を翻弄。勝負強さや投球術の高さが前田の魅力だ。
前田をめぐっては、地元の阪神タイガースとオリックス・バファローズのファンからSNS上で指名を望む声が続出。26日午前にはX(ツイッター)でトレンド入りしている。果たしてどの球団が獲得するのか。
大学生は佐々木朗希と同年代の投手が“大豊作”。佐々木の甲子園出場を阻んだ元花巻東高校の西舘勇陽(中央大)が巨人からドラフト1位指名を告知されているほか、武内夏暉(国学院大)が西武とソフトバンク、常廣羽也斗(青学大)が広島カープから事前に1位指名を公言されている。そのほか投手の細野晴希(東洋大)、野手の上田希由翔(明治大)の進路にも注目したい。
社会人では、外野手の度会隆輝(ENEOS)が中日ドラゴンズからの1位指名を受けている。中日は当初、大学生投手の武内、西舘を1位候補としていたが、ドラフト前日編成会議で方向転換した。度会は3年前にプロ志望届を提出するも指名漏れ。悔しさをバネに努力し続け、2022年には都市対抗野球では打率.429の活躍で社会人MVPと新人賞を受賞した。ENEOS野球部のサイトでは「夢は諦めなければ必ず叶います」とコメントしていた度会は、21歳でついにドラフト1位指名を掴むことになる。
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(A.Kudo/SPREAD編集部)