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MLBは1日(日本時間2日)に、今季の世界一をかけたワールドシリーズが決着。ア・リーグ覇者のテキサス・レンジャーズがアリゾナ・ダイヤモンドバックスに勝利。4勝1敗で球団初の世界一を達成した。
MVPには主砲のコーリー・シーガーが選出。ロサンゼルス・ドジャース時代に続いて自身2度目、史上4人目の複数回、両リーグでの受賞は史上初の快挙。今季レギュラーシーズン最終戦で首位打者こそ逃したものの、好球必打の積極的な打撃が光るリーグ屈指の強打者だ。
ここでは、レンジャーズ世界一の立役者シーガーについて公式データを掘り下げてみたい。
◆「このチームで優勝できてよかった」シーガーが史上初の快挙、両リーグでワールドシリーズMVPに選出
■好球必打を徹底し、首位打者争い
シーガーは2015年のドジャース時代にメジャーデビュー。22年にレンジャーズへ移籍して2年目の今季は、ア・リーグ2位の打率.327、33本塁打、96打点。OPS1.013は大谷翔平に次いで両リーグ2位をマークした。故障離脱で119試合の出場に留まったが、ポストシーズンでも6本塁打を放つ活躍を見せ、2度目のワールドシリーズMVPを獲得。
MLB公式『Baseball Savant』で今季の打撃指標を見ると、非の打ち所がないバランスのよさが浮き彫りになる。平均打球速度93.3マイル(約150.1キロ)、ハードヒット率(※95マイル以上の打球割合)53.2%はともにメジャー上位4%の高水準。
昨季苦戦した変化球を軒並み攻略して(わずか2球のフォークボールを除く)全球種で打率3割以上を記録。打率.245と低迷した昨季から大きく数字を伸ばしている。長いスパンで通常3割前後に収束すると言われるインプレー打率「BABIP(Batting Average on Balls in Play)」が、昨季の.242から.340まで上昇。今季は揺り戻しに加え、極端な守備シフトが制限された新ルールも成績アップに寄与したと考えられる。
そして、シーガー最大の魅力は「積極的な打撃」だ。今季の初球スイング率52.0%は、メジャー平均29.6%を大きく上回る。さらには、ど真ん中の絶好球を振る割合を示す「Meatball Swing%」がメジャー全選手トップの95.9%をマーク。失投を絶対に見逃さない“好球必打”を徹底し、ワールドシリーズの大舞台でも安定した打撃を披露した。
4月には30歳を迎えるシーガー。来季は打撃タイトル争いに加え、年間最優秀選手の有力候補にも間違いなく名を連ねるだろう。
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文●有賀博之(SPREAD編集部)
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— Texas Rangers (@Rangers) October 28, 2023