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MLB公式サイトは8日(日本時間9日)、今オフにフリーエージェント(FA)となった先発投手をランキング化し、トップ10を選出した。1位は山本由伸投手(オリックス・バファローズ)で、8位には今永昇太投手(横浜DeNAベイスターズ)が選ばれた。移籍市場では先発投手の需要が高まっており、獲得競争が激しくなりそうだ。
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■本来であれば頂点に立つのは大谷
MLB公式サイトは冒頭、「本来であれば頂点に立つのはショウヘイ・オオタニだろう」と言及。先発投手としての能力は大谷がナンバー・ワンと認めつつ、右肘手術の影響により来季は打者専念となる現実を考慮し、今回のリストには加えなかったと説明した。
大谷を除いたFA投手の中で、先発部門1位に立ったのは山本。同サイトは「FA選手としては25歳と若く、目を見張るような実績もある。多彩で強力な球種を操り、メジャー球団の垂涎の的となっている」と評価。「メジャーで実績のない投手が、サイ・ヤング賞候補(2位のブレイク・スネル投手)を上回ったことは、彼のゲームチェンジャーとしての能力を物語っている」と絶賛した。
サイ・ヤング賞候補のスネルが、山本の後塵を拝した理由は四球の多さ。スネルは今季99個の四球を出したが、これはリーグワースト。しかし、防御率は2.25でリーグトップ。走者を置いてから粘りの投球でピンチを脱出している証左とも言えるが、同サイトは「この綱渡りの投球が今後も続くか疑問」と指摘し、紙一重で大崩れを防いでいる状況を危惧した。
■身長が低いと成功できない?
しかし、この順位に納得できなかったのが、スネルの代理人を務めるスコット・ボラス氏だ。
球界屈指の代理人は米紙『ニューヨークポスト』のポッドキャスト番組に出演し、山本の身長(5-foot-10=177.8センチ)に懸念を示した。「メジャーリーグでは5-foot-11(180.3センチ)以下の投手と、それより高い投手では違うカテゴリーと言える。相手を抑えてきた投手の人数を数えれば、圧倒的に違うのだ」とコメントし、身長180.3センチ以下で成功する投手は少ないと主張した。「日本のポストシーズンでヤマモトは10本もヒットを打たれた。これは打者が彼の速球を見やすかったからで、ボールの動きが見えたということ」と指摘し、身長177.8センチの山本よりも6-foot-4(193センチ)の長身スネルの方が上だと暗に訴えた。
確かに以前から山本の身長に対して、不安視する声はあった。しかし、米スポーツ専門メディア『The Athletic』のケン・ローゼンタール記者は「もしヤマモトがボラス氏のクライアントなら、まったく違うことを言っただろう。ヤマモトは別の代理人事務所の選手だから」とし、ボラス氏の主張が客観性に欠けると示唆した。
現在メジャーで活躍しているソニー・グレイ投手やマーカス・ストローマン投手も山本と同じような体格だが、先発で成功を収めている。ハンデにならないことは明らかだろう。
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文●SPREAD編集部