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フリーエージェント(FA)となった大谷翔平投手の去就が連日話題となっている。
情勢としては、ロサンゼルス・ドジャースが新天地本命ということで見解はほぼ一致。“古巣”ロサンゼルス・エンゼルスも再契約を目指しているが、残留の可能性は限りなく低い。あきらめムードが漂う中、エンゼルス専門メディアは「移籍するなら、せめて同地区ライバルチームはやめて」とファンの気持ちを代弁した。
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■地元紙「アナハイムに戻る可能性低い」
MLB公式サイトがGM会議(現地9日に閉幕)に集まった関係者のうち、14人の意思決定者に大谷の新天地を予想してもらったところ「14人中10人がドジャース」と答えたという。また、米スポーツメディア『The Athletic』は「ワールドシリーズを制したテキサス・レンジャーズが史上最高額で契約する。ドジャースとシアトル・マリナーズが次点」と予想した。
エンゼルスも有力候補に負けまいと再契約を目指しているようで、GM会議に出席したナ・リーグ球団幹部も「彼らがオオタニのために一生懸命努力していることは知っている」とコメントした。しかし旗色は悪く、地元紙『ロサンゼルス・タイムズ』は「アナハイムに戻る可能性は低い」と指摘し、その他の米複数メディアも「開幕日は別のチームのユニフォームを着ているだろう」と伝えた。
形勢不利を認めたエンゼルス専門サイト『Halos Today』は「ファンにとってオオタニがクロスタウンのドジャースでプレーするのを見るのはつらい。しかし、これから数年間エンゼルスと同地区のライバルチームでプレーすることになれば、チームにとってもっとひどいことになる。ワールドシリーズで優勝したレンジャーズがオオタニを加えれば、エンゼルスは非常に困難な状況になる」と記した。
■「せめてア・リーグ西地区以外の球団とサインを」
『The Athletic』が報じたレンジャーズ移籍が現実になれば、ア・リーグ西地区の世界王者はますます強力になり、大谷が去ったエンゼルスは弱体化必至。記事には移籍するにせよ、せめて同地区ライバルは避けてほしいという思いが込められた。
ア・リーグ西地区にはレンジャーズとエンゼルスのほか、マリナーズやヒューストン・アストロズ、オークランド・アスレチックスが所属。チーム再建中のアスレチックスを除けば、強豪が揃っている。
同サイトは「エンゼルスのファンは、オオタニがチームを去る場合、同地区のライバル球団に加わらないことを希望している。ア・リーグ西地区のいずれかのチームに加わった場合、エンゼルスの競争力は低下する。だから、彼にはア・リーグ西地区以外の球団とサインすることを望んでいる」と記し、獲得に乗り出すとされるレンジャーズやマリナーズへの加入回避を懇願した。
ア・リーグ西地区に限らず、大谷の移籍先次第で各リーグのパワーバランスが変わる可能性は十分。それが、移籍市場が白熱している一因となっている。
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文●SPREAD編集部