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フリーエージェント(FA)となった大谷翔平を巡り、連日話題が絶えない。おおむね新天地本命はロサンゼルス・ドジャースとなっているが、MLB公式サイトは11日(日本時間12日)、サンフランシスコ・ジャイアンツが「オオタニ獲得へ向けて大きな動きを計画中」と報道し、争奪戦が過熱すると予想。一方、米紙『ボストン・グローブ』は「ボストンはオオタニの着地点としては見込みがない」とし、地元チームへの移籍について否定的な考えを示した。
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■5億ドルを支払う資金力あり
MLB公式サイトは米地元紙『サンフランシスコ・クロニクル』の記事を引用しつつ、「ジャイアンツの1番のターゲットはオオタニだ」と伝えた。
『クロニクル』のジョン・シー記者によると、GM会議(現地9日閉幕)に参加したある代理人は「ジャイアンツとオオタニは自然にフィットする」と話し、別の代理人も「(大谷が好むとされる)西海岸のサンフランシスコに本拠地があるので獲得のチャンスがある」と話したという。
代理人は争奪戦に参加するチームとして、ジャイアンツのほかにテキサス・レンジャーズ、ロサンゼルス・ドジャース、ニューヨーク・ヤンキースなどの名前も挙げたが、同記者は富裕球団との争いになったとしてもジャイアンツは十分に対抗できると説明。新契約は総額5億ドル(約757億円)に達するとされているが、それを支払う資金力があるとした。
ジャイアンツは昨オフ、ヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手の獲得に動いたほか、ミネソタ・ツインズのカルロス・コレア内野手とは合意寸前までいった。球団としてスーパースターを求めていることは明らかで、そのための資金もすでに用意済みと見られている。
『クロニクル』の見出しは「ジャイアンツがFAのスーパースター、ショウヘイ・オオタニにフルコートプレスをかける」。大谷獲得へ向けて積極的かつ総力戦でアプローチすることを表現した。
■レ軍は先発投手の補強が最優先
大谷獲得へ向けてまい進するチームがある一方、争奪戦から撤退気配のチームもある。米地元紙『ボストン・グローブ』は大谷との契約に5億ドル以上が必要となれば、実際にそのような高額で入札できる球団は多くないと指摘。その上で「レッドソックスはオオタニの着地点としては見込みがない」と結論付けた。
GM会議で同紙の取材を受けたレッドソックスのクレイグ・ブレスロー編成部長は「優先事項は先発投手」と繰り返し、その上でユーティリティー性に言及。「ポジションの多様性は本当に価値がある。理想としては、我々は複数のポジションをこなせる選手を探し、ロースターに多様性を加えたい。1つのポジションに固定する必要がないようにしたい」とコメントし、来季はDH専念となる大谷がターゲットにならないことを示唆した。
レッドソックスの本拠地ボストンには大谷がスポンサー契約を結んでいるニューバランスの本社があり、その観点から移籍先の有力候補とされた時期もあったが、かなりトーンダウンしてきたようだ。
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文●SPREAD編集部