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フリーエージェント(FA)となった大谷翔平投手を巡り、移籍先の有力候補とされているシアトル・マリナーズが争奪戦から降りるとの報道が駆け巡った。17日(日本時間18日)にMLB公式サイトが発信したもので、これを受けて落胆するメディアもあれば、歓迎するメディアも登場。明暗を分けた状態となっている。
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■「ドジャースにとって大きなニュース」
MLB公式サイトはマリナーズが大谷争奪戦から撤退する理由について、総額5億ドル(約750億円)とも言われる新契約がネックになると言及。「1人の選手に今冬の財源のほとんど(もしくはすべて)をあてるのは許容範囲を超えている」と指摘した。
この報道を受けて頬を緩めたのがロサンゼルス・ドジャースの専門サイト『Dodgers Nation』。「ドジャースのトップライバルがオオタニ争奪戦から身を引く」との見出しを付け、記事を公開。MLB公式サイトの内容を引用しつつ「ドジャースにとって競争相手のひとつが外れることになりそうだ」と記した。
記事は、大谷がシアトルの街を気に入っており、オフに何度も訪問していることや子供の頃から憧れていたイチロー(マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)の存在を挙げ、「多くの人がオオタニはマリナーズへの入団を真剣に考えるだろうと予測してきた」と説明。その上でライバルが1チーム減るという情報に対して「ドジャースにとって大きなニュースだ」と歓迎した。
■“いつもと変わらない”という汚名払拭を
一方、怒り心頭なのが地元メディア『FOX13 SEATTLE』。「オオタニを求めないということは“いつもと変わらないマリナーズ”という汚名を続けることになる」とし、獲得を断念すべきではないと主張した。
同メディアは「チームは単にお金を使いたがらないというだけ。球団はファンを失望させることしか行っていないように映る」とし、「球団に向けられている“勝利に興味がない、ファンのことも気にしていない”という汚名を払拭するため、チームが今オフにできることはただ1つ、球界最大のFA、世代を超えて才能を発揮する選手と契約することだ」と叱咤した。
チームは昨年の段階でフリオ・ロドリゲス外野手やルイス・カスティーヨ投手ら主力との契約延長に成功しており、大谷はすでにターゲットから外れているという話も出ている。ただ、チームとしては昨季プレーオフに進出したものの今季は逃し、ワールドシリーズに出場したことがない唯一のチームという歴史は依然続いている。同メディアは「それなのにオオタニ獲得レースに踏み込まないというのは完全に理解不能」と憤った。
大谷の動向を伝える情報に一喜一憂する事態は、しばらく続きそうだ。
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文●SPREAD編集部