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米テネシー州ナッシュビルで行われているウィンターミーティングは2日目(現地5日)を迎え、記者会見に臨む球団関係者にはフリーエージェント(FA)となった大谷翔平投手に関する質問が大量に投げかけられている。
ロサンゼルス・ドジャースやトロント・ブルージェイズ、サンフランシスコ・ジャイアンツとの面談が報じられるなど、大谷争奪戦の実態が次第に明らかになる中、米紙『ニューヨーク・ポスト』のジョン・ヘイマン記者は、大谷が球団選びについて語ったとされる情報を掲載し、話題となっている。
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■面談が明らかになったのは3チーム
ウインターミーティング2日目はまず、公式会見に出席したドジャースのデーブ・ロバーツ監督が、大谷と数日前にドジャースタジアムで面談したことを明かし、騒然とさせた。
さらに、この日はメディア側も注目すべき情報を発信。『ニューヨーク・ポスト』のヘイマン記者が「オオタニはニューヨークでのプレーは想像できないと発言」と題して記事を公開し、大谷が発したとされるコメントを掲載した。
記事はまず「ついにオオタニが少なくともドジャース、ブルージェイズ、ジャイアンツと面談したという情報が出た。この最終候補3チームにシカゴ・カブスとロサンゼルス・エンゼルスを加えた中で、どこがリードしているのか不明だ」と争奪戦の現状を説明。その上で、取材に応じた球団関係者の「オオタニはシーズン中、エンゼルスを離れた場合、ドジャースかブルージェイズに行くというアイデアを気に入っていると話していた」というコメントを掲載。さらに大谷は「自分がニューヨークでプレーする姿は想像できない」と具体的に打ち明けていたという。
■NY2球団はすでに山本獲得に集中か
同記者は“ニューヨーク拒否”について「(このコメントは)彼が2017年、エンゼルスと契約する前にヤンキースサイドに伝えたものと同じだ」とし、ヤンキースとメッツというニューヨーク2球団への移籍は考えにくいと示唆。ヤンキースとメッツはすでに山本由伸投手の獲得に集中しており、大谷争奪戦には関心を示していないと付け加えた。
本人が興味を示したとされるドジャースとブルージェイズについて、同記者は「ドジャースは長い間、新天地の本命とされてきた。彼らは球界で最も安定した勝者であり、関係者の話を待つまでもなく、オオタニが南カリフォルニアを好むという話は広く認知されている」と記した。
■ブルージェイズ側にメリット多数
ブルージェイズに関しては「アナハイムとはかなり異なる地域なので、ブルージェイズがファーストチョイスであるとは考えにくい」と前置きした上で、「(逆に)彼らがオオタニを欲しがる理由はたくさんある」と主張。その中でも現在3億ドル(約340億円)をかけて改装中の本拠地ロジャーズセンターを大谷の集客力で満員にしたいという思惑は強いと紹介した。
また、同記者はMLBの中で米50州以外に本拠地を構える唯一の球団という特殊性を指摘。「ブルージェイズの場合、トロントという都市だけではなくカナダという国全体がオオタニのマーケットになる」と主張し、大谷獲得の影響が一部の都市にとどまらず波及していくダイナミックさについて触れた。
大谷が漏らしたとされるコメントによれば、移籍先は「ドジャースかブルージェイズ」となり、ニューヨークの名門2球団は脱落ということになるが果たしてどうなるか。ウインターミーティングの状況も含めて注目だ。
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文●SPREAD編集部