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ロサンゼルス・ドジャースのデーブ・ロバーツ監督が5日(日本時間6日)、フリーエージェント(FA)となっている大谷翔平投手と数日前にドジャースタジアムで面談を行ったと明言した。大谷サイドからかん口令が敷かれ、各球団が交渉実施の有無さえ明かしていない中、禁を破る形での発言に一時騒然となったが、争奪戦に与える影響はほぼないという。『MLBネットワーク』のジョン・モロシ記者が伝えている。
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■「情報漏洩には当たらず」と米サイト
大谷争奪戦において本命視されているドジャース。チームを率いるロバーツ監督がウインターミーティング中の会見で「オオタニの獲得が最優先事項」と本音を激白。さらに、数日前に大谷と面談したことを明かし、同監督は「うまくいったと思う」とご満悦だった。
一見、差し障りのない発言に映るが、これに周囲は騒然となった。なぜか。基本的に交渉経過を明かさないのが慣例であり、今回は特に大谷サイドから「かん口令」が敷かれており、「交渉経過を公表すればペナルティを与える」と各球団に通達があったとも伝えられている。情報漏洩に対して周囲が気をつかう中、ロバーツ監督はあっさりと“暴露”してしまったのだ。
大谷サイドの要請を無視した会見により、ドジャースの大谷獲得に悪影響が出るのではないか、と危惧する声が当然のようにあがった。しかし、発言から一夜明け、影響はないとの見方が広まっている。
『MLBネットワーク』のジョン・モロシ記者は「多くの点でドジャースは依然として最有力候補だ。昨日、デーブ・ロバーツ監督が口にしたことが、この計算を変えるとはどうしても思えない」と主張。ドジャース専門サイト『Dodgers Nation』も「監督が行ったことは、彼らがオオタニと会ったことを確認したこと、そして、彼はその面談がうまくいったと信じていると述べただけ。交渉の内容についての情報は漏らしていない」と記し、問題視されるような発言ではないと擁護した。
■ド軍編成「取引成立はタイミングの問題」
ロバーツ監督の会見に対する感想を求められたドジャースのゴームズGMは「監督がオオタニの話をしたことに驚いた」とし、それ以上のコメントは避けた。また、フリードマン編成本部長も「FA選手については話せない」と憤りを隠せないようだった。
しかし、地元紙『ロサンゼルス・タイムズ』のジャック・ハリス記者によると、監督会見から一夜明け、再び取材に応じたフリードマン編成本部長は「(昨日の監督発言には)驚いた」としながらも 「しかし、あの後、我々は良い話し合いをした」と打ち明け、すでにわだかまりは解消していることをうかがわせた。
さらに同編成本部長は「このウインターミーティングを通じて、より明確な理解を得ることと、取引が成立することの間にそれほど大きな違いはない。たまたま、この3日間で取引成立に達しなかっただけでタイミングの問題だと思う。ただ、この間の話し合いによって大きなことが生まれることは確かだ」とし、何らかの契約へ向けて機が熟していることを示唆した。
ロバーツ監督の“失言”も大ケガには至らない様子であり、ドジャースが本命という下馬評に変化はなさそうだが、果たしてどうなるか。依然、大谷争奪戦は予断を許さない状況にある。
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文●SPREAD編集部