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10日、香港・シャティン競馬場にて香港国際競走が行われる。メインを飾るのは中距離戦線の頂上決戦・香港カップ(GI・芝2000m)。日本馬は過去5年で3勝2着4回と、地元香港勢をも凌ぐ好相性の一戦に、今年はプログノーシス、ローシャムパーク、ヒシイグアスの3頭が頂点に挑む。立ちはだかるのは、昨年の覇者ロマンチックウォリアー。果たしてどんな結末が待ち受けているのか。
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■香港の雄は、少なくとも連は外さない
昨年はパンサラッサやジオグリフなど、GI馬4頭を含む5頭の精鋭が日本から参戦したものの、ロマンチックウォリアーの圧勝に終わった香港カップ。その地元の雄が、今年も盤石の態勢でカリフォルニアメモリー以来となる、史上2頭目の香港カップ連覇を果たしそうだ。
今年は香港GIで取りこぼすシーンも見られるが、春のクイーンエリザベス2世Cでは、プログノーシスらを破り連覇を達成。秋は豪州へ遠征し、香港調教馬としては史上初となる豪GIコックスプレート制覇を成し遂げ、ここぞという場面ではキッチリと結果を残している。
海外遠征からの帰国初戦となるが、11月28日にはバリアートライアル(実戦形式の調教)で、香港マイル2勝のゴールデンシックスティらを相手に先頭で駆け抜け、調整は至って順調。シャティン芝2000mでは【5.1.0.0】とパーフェクト連対を誇り、少なくとも連を外すことは考えにくい。
■日本馬の筆頭候補は……
日本勢の筆頭格はプログノーシスか。クイーンエリザベス2世Cでは2着に敗れたが、直線で前が詰まり、やや脚を余した印象。スムーズならロマンチックウォリアーに肉薄していた可能性も高い。
今年に入ってGIIを2勝。前走の天皇賞・秋では、イクイノックスには及ばなかったが、後方から鋭い決め手を発揮して3着に好走しており、中距離路線では国内トップクラスの実力を示している。
懸念材料は国内レコード決着となった前走の反動。プログノーシスも従来のレコードを上回る1分55秒8で駆け抜けており、怪物イクイノックスはともかく、“普通の馬”なら少なからず影響は残りそうで、本来の力を発揮できるかがカギとなりそうだ。
むしろ、伸びしろを期待したくなるのがローシャムパークのほう。GI実績こそないが、函館記念、オールカマーと重賞を連勝。特に前走はGI3勝のタイトルホルダーを着実に捉える完勝劇で、近走の充実ぶりは目を見張るものがある。
父ハービンジャーは、2018年2着のディアドラ、20年1着のノームコアと、産駒は当レースとの相性も抜群。近親ルーラーシップは2012年のクイーンエリザベス2世Cを制しており、シャティン芝2000mに打ってつけの血統。鞍上D.レーンも3走前に一度コンビを組んで勝利しており、国際舞台でビックタイトル奪取の可能性大だ。
■単勝も忘れずに、おいしい配当をゲット
地元香港では、ロマンチックウォリアーが断然の1番人気に支持されそうな情勢だが、日本国内での馬券発売となると、日本馬との競合となり、逆にロマンチックウォリアーの単勝オッズはおいしい配当になりそうで、まずは単勝を買っておきたい。
そのうえで、ロマンチックウォリアーから相手にはローシャムパークとプログノーシスの2点。日本馬逆転の可能性も考え、馬連の少点数で仕留めておきたい。
そのほか、レーティング1位タイのルクセンブルク、3歳馬で唯一参戦のオリゾンドレなど、欧州勢の2頭も争覇圏の存在だが、前記3頭には及ばないとみて、馬券的に買うなら3連系の3着まで。
もう1頭の日本馬ヒシイグアスは、当レースで一昨年2着と実績はあるものの、近走不振で衰えは隠せず。7歳馬は過去10年で3着1回と、高齢馬にとっては厳しい現実もあり、応援したい気持ちはあるが、ここはシビアに切りたい。
◎(2)ロマンチックウォリアー◯(4)ローシャムパーク▲(3)プログノーシス
単勝2
馬連流し(2点)軸:2相手:4、3
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◆著者プロフィール
石川豊●いしかわゆたか20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。