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エンゼルスからFAとなりドジャースに移籍した大谷翔平投手が14日(日本時間15日)、本拠地ドジャースタジアムで入団会見を行った。
質疑応答では「契約期間中でも球団人事に変更があった場合、オプトアウト(契約破棄)できる」という特殊な条項が含まれていることについても質問が飛び、大谷が真意を説明した。
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■「メインの2人と契約するという形」と表現
大谷がドジャースと結んだ10年総額7億ドル(約1014億円)というメガ契約。当初はオプトアウト(選手が契約を破棄できる権利)が盛り込まれていないと報道されていたが、意外な条件のもとでオプトアウトを行使できることが、13日(同14日)に判明した。
米スポーツメディア『The Athletic』のケン・ローゼンタール記者が「ドジャースの人事に特定の変更があった場合、オオタニはそのシーズンの終わりに契約を解除できる」と報道。
さらに米紙『USA TODAY』のボブ・ナイチンゲール記者も「マーク・ウォルター・オーナーかアンドリュー・フリードマン編成本部長が退団した場合、オオタニはオプトアウトすることができる」と伝え、特定の人事変更とは両者の退団を指すと指摘した。
会見ではこの条項を付けた意味についても質問が飛び、大谷が真意を説明する場面があった。
「みんなが同じ方向を向いているというのが大事だと思っているので、ロサンゼルス・ドジャースに入団すると同時に、メインのこのお二方と契約するという形ですし、そこがもし崩れるのであれば、この契約自体も崩れることになる。そういう契約かなと思う」と答えた。
■米メディア「セーフティーネットを求めた」
11年連続でプレーオフに進出しているドジャースだが、常勝軍団の礎を築いたのはウォルター・オーナーとフリードマン編成本部長の手腕によるところが大きい。大谷が移籍を決意したのも、彼らが示した勝利へのビジョンに共鳴したから。そのため、2人がチームを去った後のイメージができなかったものと見られ、米複数メディアは「セーフティーネットを求めた」と報道した。
先述の『USA TODAY』が取材したMLB幹部は、球団人事に変更があった場合にオプトアウトできるという条項を盛り込んだのは「選手としては初めてになるのではないか」と語った。
ただ、監督の契約においてはこれまでも採用されてきた。例えばエンゼルスの元監督であるジョー・マドン氏が2014年、レイズとの契約をオプトアウトした際も、この球団人事を巡る条項に触れたからと言われている。
「僕自身の優先順位は契約形態からも分かるように、勝つことだと思います」と話した大谷。勝利のためにドジャースを選んだことを改めて表明し、オプトアウトはそのチームをけん引する球団首脳と一蓮托生であることを示した形だ。
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文●SPREAD編集部