
ドジャース入団が決まった大谷翔平投手の代理人ネズ・バレロ氏が、今回の移籍劇を振り返った。米紙『USA TODAY』が伝えている。10年総額7億ドル(約1015億円)というメガ契約と、その97%が「後払い」となった経緯などを明かした。
◆「ヒジの回復次第で左翼手も」大谷翔平の起用法について、ロバーツ監督が将来的なプラン明かす
■「後払い」の選択は称賛されるべき
14日(日本時間15日)ボブ・ナイチンゲール記者の取材に応じたバレロ代理人は、大谷の入団会見を見届けると「すべて終わって安堵感がある」と正直な感想を吐露したという。
続いて10年総額7億ドルのうち、約97%(6億8000万ドル)が「後払い」となった経緯などを明かした。
「これ(後払い)については、オオタニを称賛すべきだ。彼は自分の給与でチームを束縛したくなかった。彼は『私はどのようにすればチームに貢献でき、チームの競争力も維持できるようになるのか』と尋ねてきた。それで、彼はできる限り利他的なアプローチを取り、ほぼすべての給与を先送りにした」。
これによって大谷は今後10年間、毎年200万ドル(約2億9000万円)を受け取るだけとなり、ドジャースには財政面で余裕が生まれる。その浮いたお金で、さらに戦力を充実させてほしいというのが大谷の願いであり、その思いをくみ取った支払い方法が「後払い」であると説明した。
話題は、交渉過程をまったく明かさず、球団にも“かん口令”を敷いたために秘密主義という批判を招いたことについて移った。
バレロ代理人は「オオタニと私は物事をコントロールしたかった。チームサイドもそれに賛同してくれた。一部メディアが『オオタニの新天地決定は歴史的な瞬間であるため、代理人は情報を共有する必要がある』と訴えていることは知っていたが、私は100%反対だ。ある程度の機密性が必要だ」と話し、「私の中には何の疑問もない。今後も同じ方法を取る」と反論した。
■1番の苦痛は断りの電話を入れること
今回の移籍劇を巡り、「代理人として1番の苦痛は何だったか」と問われたバレロ氏は「ドジャース以外の球団に断りの電話を入れたこと」と返答。まず9日(同10日)土曜日の朝、同氏はドジャースのアンドリュー・フリードマン編成本部長に電話し、大谷がドジャースを選んだこと、そして自身のインスタグラムで決断を発表する予定であると伝えた。
その後はブルージェイズ、ジャイアンツ、カブスに電話をかけ、大谷の決断を報告。そして、最後は6年間所属したエンゼルスに断りの連絡を入れたという。
特に大谷争奪戦の終盤、「オオタニがトロントを訪問」というニュースが流れ、ブルージェイズ加入という機運が一気に高まったことについては、大谷サイドに落ち度がないとはいえ謝罪を繰り返した。
「カナダという国に対して本当に申し訳ないと感じた。そしてブルージェイズの組織に対しても申し訳ないと感じた。オオタニがそこにいると思っていたのに、実はいないことが分かるという極端な感情のジェットコースターだった。関係者、ファンがあんな経験をしたのはとても残念だった」と振り返った。
プライバシーを重視し、批判を受けながらも結局はメガ契約を勝ち取ったバレロ氏。代理人としての評価が高まったのは確かなようだ。
◆「世界最強トリオに選出」大谷翔平、ベッツ、フリーマンが“得意な打順”を公式データで読み解く
◆大谷翔平の来季成績予想が「39本塁打104打点」に“上方修正” 強豪ドジャース入団で米データサイトが再評価
◆【実際の画像】大谷翔平が全米50州でどれだけ注目を集めているかが一目瞭然! 米データサイトが公表した「州別の閲覧数トップ選手」まとめイラスト
文●SPREAD編集部