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近年プロの飛距離が非常に伸びている。PGAツアーではローリー・マキロイが今季326.3ヤードという過去最長のドライビングディスタンスを記録し、PGAツアー全体では平均299.9ヤードとついに300ヤードに到達しようかという勢いだ。
プロ・アマ問わず誰もが求める飛距離。PGAツアーでは伸び続けているが、国内や女子ツアーはどのように変化したのだろうか。
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■国内は飛ぶようになったが、LPGAツアーは少し変わる
PGAツアーと比較すると「飛距離が足りない」と言われる国内男子ツアー。しかし近年は飛距離も伸びてきており、今季のドライビングディスタンス1位は河本力の322.58ヤード。PGAツアーで今季最も飛ばしたマキロイと比較すると、その差は3.72ヤード。2018年以降で比較すると最小の差である。
また国内ツアーの平均飛距離を見ても、今季は歴代最長となる286.86ヤードを記録。平均300ヤードを超えた選手も14人で最多となった。
ここまで飛距離の差が埋まってきたのは、ギアやスイングの進化、そして世界を目指す若手選手の活躍が挙げられる。PGAツアーのタフなコースで戦うためにはどうしてもパワーが必要となる。中島啓太や蝉川泰果らを筆頭に、海外を目指す若手選手の活躍があるからこそ国内男子ツアーの飛距離は伸びてきていると言っていいだろう。
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PGAツアーと国内男子ツアーの飛距離比較(過去5年)
国内女子ツアーの飛距離も徐々に伸びてきており、今季は平均240.97ヤードに到達。最長飛距離は神谷そらの260.82ヤードで、国内女子ツアーでドライビングディスタンスが計測され始めた2017年以降、歴代最長の飛距離となった。また平均飛距離は昨年と比較すると約3.72ヤードも飛んでおり、国内女子ツアーでも飛ばし屋が増えている事がわかる。
しかしLPGAツアーに目を向けると、すこし事情が変わってくる。
LPGAツアーにおける2018年以降の飛距離を見ると、平均飛距離と最長飛距離は多少の上下はあるもののほぼ横ばいに推移している。これはLPGAツアーのコースセッティングが長くても7,000ヤード以下であり、これ以上飛ばすメリットが少ないと考える選手が多い可能性がある。もしコースの総距離が伸びてくれば、同じように飛距離も伸びてくるだろう。
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LPGAツアーと国内女子ツアーの飛距離比較(過去5年)
■2028年には飛ばないボールも導入
年々伸び続ける飛距離だが、先日R&A(全英ゴルフ協会)とUSGA(全米ゴルフ協会)がゴルフボールのロールバック規制を正式に発表した。
これは年々伸びる飛距離がゴルフの持続可能性に与える影響を減らすために施される規制であり、ロングヒッターは13~15ヤード、男子ツアーの選手や男子のトップアマは9~11ヤード、LPGAツアー選手では5~7ヤードほど飛距離が落ちると試算されている。
もし「飛ばないボール」が導入されれば、ショットの精度やグリーン周りのアプローチといった技術が重要になってくることが期待される。
しかし過去にも飛ばないようにする規制は何度もされており、2003年にはフェース反発係数が0.83を超える高反発ドライバーの使用禁止や、2022年のルール改正ではパターを除くクラブの長さを最大46インチに制限するローカルルールなどが決定された。それでも飛距離は伸び続けた。
これまでの例を見れば今回もギアやスイングの進化が新たな規制を乗り越え、さらに飛距離が伸びる可能性は十分にある。また今までのように飛ばなくなったとしても、ショット精度やアプローチ、パターといった技術が進化し、ゴルフの奥深さはより増すはずだ。
ここまで伸び続けた飛距離はどのような進化を遂げるのか。今後も注目したいところだ。
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(G.Tsukamoto/SPREAD編集部)