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2023年盛り上がりを見せたのが卓球のパリ五輪選考争い。そのなかで、群雄割拠の実力者が揃う女子は上位陣が世界レベルでしのぎを削り、激闘を繰り広げた。
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■兄・智和と5歳差のニュースター
今年の卓球界でニュースターとしてその名を高めたのが張本美和。兄・智和と5歳差の15歳は国内だけに留まらず、国際大会でも存在感を示した。
そんな張本のハイライトは11月に行われた第6回パリ五輪選考会の「全農CUP大阪大会」。準々決勝でパリ五輪選考3位の伊藤美誠を下すと、その勢いのまま決勝へと駒を進める。
決勝で待ち受けたのが日本のエースに君臨する早田ひな。戦績が8戦8敗と、このサウスポーが一つの壁になっていた張本にとって、“早田超え”は新たなステージへ上るためには求められていた。そんななか、2-2で迎えた第5ゲームの攻防をデュースの末に14-12で奪取した張本。そのまま第6ゲームも奪い切り、4-2で勝利。選考会初優勝を勝ち取り、勲章を手にした。
張本は五輪選考ポイントでは330.5点で5位。2位の平野美宇(486点)とは155.5点差、3位の伊藤(451.5点)とは121ポイント差がある。大会後に「順調にいけば平野選手か伊藤選手」と語ったように、3人目に与えられる団体メンバー入りについては冷静に現状を受け止めている。
それでも、成長を止めない新鋭が来年の全日本選手権でも同様の輝きを見せ、協会推薦で決まる3人目の候補に挙がってくる可能性はある。はたして、2023年の卓球界を席巻した15歳の2024年はどのような未来が待ち受けるのか。
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(Y.Imoto/SPREAD編集部)