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カタールで開催されている「AFCアジアカップ2023」は2日、準々決勝が行われ、韓国(FIFAランキング23位)が2-1でオーストラリア(同25位)を撃破。ベスト4でタジキスタンを破ったヨルダンと対戦する。
◆【実際の動画】「これはもう英雄」ソン・フンミンの芸術的なフリーキック!延長前半の逆転弾で韓国4強へ
■ドリブル突破でPK獲得の大仕事も
先月30日に行われたラウンド16・サウジアラビア戦はPK戦までもつれ込んだが、それから中2日。韓国が再び死闘を制した。
ハード日程の中、ユルゲン・クリンスマン監督はエースFWソン・フンミン(トッテナム)やMFイ・ガンイン(パリSG)を連続でスタメン起用。一方、オーストラリアは中4日と休養十分で臨んだ。
試合が動いたのは前半42分。自陣でビルドアップのパスをカットされた韓国は、カウンターを受けると、最後はFWクレイグ・グッドウィンにダイレクトボレーを決められ失点。思わぬミスから先制を許した。
後半、逆転を狙い猛攻を仕掛ける韓国だったが、オーストラリアの固い守備をなかなか崩せない。時計の針は進み、後半アディショナルタイムに突入。敗色濃厚のムードが漂う中、ソンが起死回生のプレーを見せた。ペナルティーエリア内でドリブルを仕掛けると、相手に倒されてPKを獲得。これをFWファン・ヒチャン(ウルブス)が冷静に決め、土壇場で追い付いた。
延長戦に突入した試合は前半14分、再びソンが魅せた。ペナルティーエリア左手前で得たFKを右足一閃。ボールは鋭く落ち、ゴール左に突き刺さった。ついに逆転に成功した韓国が、そのまま逃げ切った。
■「ハードに戦う準備はできていた」
劇的勝利の立役者となったソンは「このような勝ち方はできれば避けたいが、ハードに戦う準備はできていた。こうして勝つことはチーム全体の士気につながる。みんなが献身的なプレーを見せてくれ、本当に感動した。一人ひとりが賞賛に値する」と振り返った。
今後の戦いについては「(今週末が終われば)ドーハに残るのは4チームだが、最後にトロフィーを掲げるのは1チームだけだ。疲労であろうが何であろうが、言い訳はしない。我々はトロフィーを持ち帰るだけだ」と話し、64年ぶり3度目の頂点へ意欲を見せた。
韓国はこの試合を含めて4試合連続で後半アディショナルタイムにゴール。薄氷を踏むような展開が続いているが、最後まで諦めない姿は印象的だ。
現役時代にドイツ代表としてワールドカップを制したクリンスマン監督は「いつもこんなに遅くまで試合はしたくないよ。もっと早く終わらせることができれば幸せだが、長くなることが、今大会における私たちのストーリーなのかもしれない」と笑った。
勢いが出てきた韓国だが、次戦は守備の要であるDFキム・ミンジェ(バイエルン・ミュンヘン)が累積警告で出場停止。同監督は「ミンジェがいないのは明らかに我々にとって良くない。なぜなら彼はディフェンスリーダーであり、素晴らしいプロフェッショナルだからだ」と話しつつ、「我々には彼以外にも素晴らしい選手がたくさんいる」と自信を見せた。
クリンスマン監督によってゲルマン魂を注入された「アジアの虎」が、日本にも牙をむくのだろうか。今後の戦いから目が離せない。
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文●SPREAD編集部