「あの戦い方は参考になった」“サラリーマンボクサー”阿部麗也、世界奪取に向けた一問一答 ロペスの弱点にも言及 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

「あの戦い方は参考になった」“サラリーマンボクサー”阿部麗也、世界奪取に向けた一問一答 ロペスの弱点にも言及

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「あの戦い方は参考になった」“サラリーマンボクサー”阿部麗也、世界奪取に向けた一問一答 ロペスの弱点にも言及
「あの戦い方は参考になった」“サラリーマンボクサー”阿部麗也、世界奪取に向けた一問一答 ロペスの弱点にも言及 全 1 枚 拡大写真

IBF世界フェザー級1位の阿部麗也(KG大和)が、チャンピオン、ルイス・アルベルト・ロペス(メキシコ)に挑むIBF世界フェザー級タイトルマッチが、3月2日(日本時間3日)に迫った。

サウスポーのボクサーファイター、阿部選手の戦績は25勝(10KO)3敗1分。一方、ラフなファイター、ロペスは29勝(16KO)2敗。米ニューヨーク州ベローナのターニングストーンリゾート&カジノへの出発をひかえた阿部選手に世界奪取の意気込みを聞いた。

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■「自分のカウンターが火を吹けば、勝利が見えてくると思います」

-念願の世界戦が目前に迫りました。今の気持ちを教えてください。

「試合は迫っているんですけど、世界戦だ、という気負いはありませんね。むしろ、いつもの試合前より落ち着いている感じです」

-それは何故ですか?

「今までは、世界を目指して頑張ってきて、ここで負けちゃいけない、負けたら終わってしまうってプレッシャーを感じていましたけど、今回は何も失うものないからでしょう。やったろかっていう、吹っ切れた感じで準備ができています」

-チャンピオンのロペス選手は、どんな選手ですか。

「みんなが言うように、戦いづらい相手ですね。独特な動きをする、その辺にはいないタイプです。トリッキーな動きから、思い切り打ってくるアッパーやフックは警戒が必要です。正直、リングに上がって対戦してみないと、読めない部分も多いと思っています。

もうひとつの特徴は攻守分離で、攻めるときは思い切り攻めてくるけど、打ち終わると休むという戦い方です。攻めてくるときは、特にガードが低いので、怖い部分もあるけど穴もあると思っています。体ごと突っ込んでくるタイミングでカウンターを合わせたいですね」

-勝つためのシナリオは?

「とにかく、大事なのは立ち上がりです。序盤にペースを取られると、勢いづかせてしまうので、中盤まで上手く戦いたいです。自分から出ていくというよりは、相手が来たときにカウンターを当てて、足を使って動く作戦です。打って動くことが大切です。じっと立っていると、マイケル・コンラン(2023年5月、5ラウンドKO負け)のようにやられてしまいます。

序盤のポイントはどっちがとるかわからないですけど、相手はワイルドにパンチを振り回す分、スタミナを使うので、中盤は休むことが増えてくるはずです。そうなればチャンスが回ってくるはずです」

-昨年9月のジョエト・ゴンザレスとの防衛戦ではロペスの弱点が見えました。

「挑戦者がしっかりパンチをブロックして、その後、打ち返すパンチが当たっていましたね。ロペスは、自分のパンチが当たらないとペースに乗れないことがわかりました。あの戦い方は参考になりますね。

ただ、ゴンザレスにはカウンターパンチがなかったので負けてしまいましたが、惜しい試合でした。ロペスがずるずる下がるシーンもありました。ブロックを固めて、出てくるタイミングに自分のカウンターが火を吹けば、勝利が見えてくると思います」

-身長は阿部選手が9センチ高いというデータです。

「自分が挑戦者決定戦で勝ったキコ・マルチネスと同じくらいの体格でしょう。マルチネス戦(2023年4月、判定勝ち)では、出てくるところに合わせる左ストレートが効果的でした。あのパンチをロペスにも当てたいですね。

目の上の古傷も手術をしてきれいにしました。これで不安材料がひとつ減りました。逆にロペスはゴンザレス戦で出血していました。試合の間隔も短いので、切れやすくなっているかもしれませんね」

-初めての海外での試合です。

「日本とは環境がかなり違うと聞いています。試合前のルーティンを大事にする人や、神経質な人は大変でしょうけど、自分はそうでもない、どこでも寝られるタイプなので大丈夫だと思っています。不安といえば、14時間の時差くらいですね。

今回は家族も一緒にアメリカに行きます。海外での世界タイトル戦なんて滅多にないことですから、リングサイドで見てほしいと思いました。自分とトレーナーは試合のあるホテルに泊りますが、家族とスタッフは近くの一軒家を借りました。キッチンやお風呂もあるので、日本食が食べたくなったら、作ってもらうことになっています」

-WOWOWでのオンデマンド放送もあります。意気込みを聞かせてください。

現地入りが試合の1週間前なので、いつもより早めに減量はしています。きついことはきついですけど、当日、万全の体調でリングに上がれると思います。エリートでもないサラリーマンボクサーでも、世界チャンピオンになれることを証明したいですね。

ロペスは次の試合は統一戦だ、なんて言っているみたいです。ナメていると足元をすくわれるってことを見せつけてやります。自分が勝てば、日本人の世界チャンピオン100人目になるんです。ぜひ、応援をよろしくお願いします。

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著者プロフィール

牧野森太郎●フリーライター

ライフスタイル誌、アウトドア誌の編集長を経て、執筆活動を続ける。キャンピングカーでアメリカの国立公園を訪ねるのがライフワーク。著書に「アメリカ国立公園 絶景・大自然の旅」「森の聖人 ソローとミューアの言葉 自分自身を生きるには」(ともに産業編集センター)がある。デルタ航空機内誌「sky」に掲載された「カリフォルニア・ロングトレイル」が、2020年「カリフォルニア・メディア・アンバサダー大賞 スポーツ部門」の最優秀賞を受賞。

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