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MLBは22日(日本時間23日)、ドジャースの大谷翔平投手と大谷の通訳を務めていた水原一平氏を巡る違法賭博疑惑に関して、調査を開始すると発表した。
MLBは声明で「MLBはショウヘイ・オオタニとイッペイ・ミズハラに関する疑惑の報道が出てから情報を収集してきました。本日、我々の調査部門(DOI)が、問題の調査を正式に開始しました」と明らかにした。米メディアはMLBが乗り出す意味を解説している。
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■コミッショナー判断による懲罰も
カリフォルニア州で禁止されている違法賭博。その全容解明に向けては、すでに連邦捜査当局が捜査に乗り出しているが、MLBも大谷と水原元通訳に関して調査を開始したという。
米メディア『ブルームバーグ』によると、MLBには「ルール21」と呼ばれる賭博規則があり、選手は自身の試合を対象に賭けをした場合には永久追放、自身が関与しない他の試合で賭けをした場合には1年間の出場停止が課せられることになっている。ただ、MLBの選手が野球以外のスポーツに賭けることは禁止していない。
また、今回のように違法ブックメーカーを使ったスポーツ賭博は認められておらず、こうした賭けに対しては、ロブ・マンフレッドMLBコミッショナーが適切と考える処分を下すことができるという。つまり、連邦捜査当局の判断とは別に、MLBが調査を果たした上で、独自に処分を下すことも可能になっている。
MLBの調査開始声明を受けて、米スポーツメディア『FANSIDED』は「MLBがショウヘイ・オオタニの調査を開始:ドジャースのスターはどれほどの危険にさらされているか」と題して、記事を公開。「MLBはオオタニと彼の通訳を巻き込んだ状況について正式な調査を開始した。MLBの声明はドジャースのスターに対して、懲罰の門が開かれる可能性を示している。しかし、だからと言ってすぐに出場停止になるという意味ではない」と記した。
■大谷が危険に陥る可能性は低い
同メディアは「オオタニのアカウントから違法業者に送金されたという事実は消えない。たとえ元通訳が勝手にやったことだとしても、MLBはオオタニが少なくとも野球の試合には賭けていないということをファンに保証する意味でも調査をする必要がある」と指摘した。
その上で「現在、連邦当局の捜査がオオタニには及んでいないことに留意する必要がある」とし、「現時点では、彼が(懲罰などの)危険にさらされる可能性はかなり低い。オオタニはあくまで窃盗の被害者であって、罰せられることはないだろう。現実的にドジャースは今後もオオタニがラインナップに加わり続けることは期待できる」とした。
しかし、「捜査が終了し、オオタニが完全に無罪と認められるまで、今回の件がどのような方向に進むかは分からない」とし、予断は許さないとした。
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(SPREAD編集部)