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日本時間30日深夜、UAE・メイダン競馬場にて、ドバイワールドカップデーが行われる。今年は7競走に、日本から大挙23頭が参戦。ここでは、ラストを飾るメイン競走、第9レース・ドバイワールドカップ(GI・ダ2000m)を攻略する。
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■2000mならウシュバテソーロ上位だが……
ウシュバテソーロの前走サウジCは、惜しくも2着に敗れたが、負けて強しのレース内容。後方待機策から徐々に間合いを詰め、直線では外から豪快な末脚を繰り出して一旦は先頭に。さらに後ろにいたセニョールバスカドールの強襲に屈したが、日本のダート界の大将格として健在ぶりを見せつけてくれた。
再度サウジCのリマッチとなる今回。前走は距離が1800mだったが、今回は200m伸びて2000m。ウシュバテソーロがこの距離で5戦4勝であるのに対し、セニョールバスカドールは3戦未勝利と、適性の差は明らかで、今度はウシュバテソーロのリベンジとの見立てが濃厚だ。
とはいえ、両者とも展開に左右される面は否めず、スローの前残りなど末脚不発に終わるケースも十分に考えられる。日本で馬券発売された2017年以降、1番人気の馬は4回連続で連対を果たしていたが、近2年は馬券圏外に敗れており、信頼度は決して高くはない。
■もう1頭のテソーロ、自在脚質で逆転の目
ここは、テソーロはテソーロでも、ウィルソンテソーロの逆転はないか。前走のフェブラリーSでは、スッと2番手につけるセンスの高さを見せるも、ハイペースに巻き込まれて8着に失速。久々のマイル戦という点も本馬には向かなかった印象だ。
3走前のチャンピオンズCでは後方から強烈な追い込み、2走前の東京大賞典では一転、逃げの手を打ってともに2着に好走するなど、中距離戦における自在性の高さはウシュバテソーロよりも上。メンバー的にも逃げ候補は少なく、マイペースで自分のレースができれば粘り込みが期待できる。
鞍上の原優介は、前走はケガの影響もあり悔しい乗り替わり。海外での騎乗は未経験ながら再び鞍上に起用され、関係者への期待に応えたい気持ちは強いはずだ。
■日本勢はどの馬も馬券圏内か
メンバー中レーティング2位につけているのが、日本のデルマソトガケ。昨年のUAEダービーでは圧勝を果たし、メイダンへの適性の高さは明らか。ブリーダーズCクラシックではウシュバテソーロに先着して2着に好走と、日本馬の中では1、2を争う実績だ。
ただ、昨年はブリーダーズCクラシックの前哨戦に使う予定だった日本テレビ盃を、脚を痛めて使えなかったり、前走のサウジCは輸送中にアクシデントがあった影響もあって5着に敗れたり、何かと順調に使えない点は気がかり。相手には加えておきたいが、中心には推しづらい馬だ。
あとは、フェブラリーSでは明らかに距離不足で12着に大敗し、ドバイで巻き返しを期すドゥラエレーデ。昨年もUAEダービー2着でメイダンの馬場を経験済み。チャンピオンズC、東京大賞典では3着に好走し、ダートの一線級相手でも遜色ない力は持ち合わせており、適距離の2000mなら逆転の目も十分可能だ。
■サウジC覇者はバッサリ切って勝負
日本からの4頭は、いずれも馬券圏内に来ておかしくない実力馬ばかり。そんな中、若武者・原優介のレースぶりに期待して、ウィルソンテソーロを中心に考える。サウジCを制したセニョールバスカドールは、距離に一抹の不安を感じ、バッサリ消す。
日本勢以外では、まず米国のニューゲートをピックアップ。前走のサンタアニタHでGI初制覇を果たしたばかりだが、過去ドバイワールドCを4度も制しているB.バファート厩舎の管理馬で、鞍上のL.デットーリもこのレースを4度勝っており、ドバイワールドCを知り尽くしているコンビで侮れない存在だ。
地元UAEからは、前走のアルマクトゥームチャレンジを快勝したカビールカーン。昨年まではカザフスタンやロシアで走っていた異色の経歴の持ち主で、未知の魅力たっぷり。ここまでが馬券圏内とし、流してみたい。
◎(12)ウィルソンテソーロ◯(11)ウシュバテソーロ▲(4)デルマソトガケ△(5)ドゥラエレーデ△(9)ニューゲート△(6)カビールカーン
馬連流し(5点)軸:12相手:11、4、5、9、6
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◆著者プロフィール
石川豊●いしかわゆたか20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。