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4日から、岐阜県の富士カントリー可児クラブ・志野コースでメジャー、日本プロゴルフ選手権が開催される。
注目は石川遼。6月6日から開催された日本ゴルフツアー選手権では、正規の72ホールをトップタイでプレー。プレーオフで敗れたが2位となった。
海外メジャー、全米オープンでは予選落ちを喫したものの、その翌週、20日から開催されたJAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIPで優勝。これは2022年の三井住友VISA太平洋マスターズ以来の優勝で通算19勝目となった。
データを見ると、日本ツアーの最近2戦では、アイアンショットの安定感が光る。
一方、JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP最終日の11番ホールのロストボールになった第1打に象徴されるように、ティーショットの安定感が低い。
ティーショットに不安を抱える中でこの成績ということは、ティーショットの安定感が増せば、圧倒的な強さを発揮することもあり得ることを意味する。
◆松山英樹と石川遼、コース難易度高い全米オープンでも武器になるほどウェッジショットが秀でている理由
■フェアウェイキープ48回中ボギー2回
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石川遼 最近2戦の「フェアウェイをキープした」48ホールのスコア
日本ツアー最近2戦ではティーショットで合計48回フェアウェイをキープした。そして、フェアウェイからボギーとなったのはたった2回。約96%の確率でパー以上のスコアでプレーした。
その2回はいずれも日本ゴルフツアー選手権のもので、JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIPではフェアウェイをキープしたホールでは、ボギーは0だ。また、その48ホールでバーディを17個、イーグルを2個獲得している。
まとめると、フェアウェイをキープした48ホールでは19アンダーとなる。
では、フェアウェイをキープできなかったホールはどうか。
ティーショットでフェアウェイを外したホールは64ホール。バーディ18個、ボギー9個、ダブルボギー1個で、7アンダーだった。スコアの伸びを見ると、フェアウェイをキープすることで好スコアが期待できるようだ。
ちなみに、パー3のホールに関しては、日本ゴルフツアー選手権がバーディ5個でダブルボギー1個、JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIPがバーディ6個。パー3の成績をふまえてみても、ライが良いところからグリーンを狙うショットをするホールでは、スコアを伸ばせているといえる。
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石川遼 最近2戦の「フェアウェイを外した」64ホールのスコア
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石川遼 最近2戦の「パー3」 32ホールのスコア
■フェアウェイキープ率
フェアウェイキープ率は日本ゴルフツアー選手権が44.643%、JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIPが41.071%と低調。
自身のスイングや、長きに渡り課題の一番手に挙げているティーショットの精度に関して、一時期に比べて前向きなコメントが聞かれるようになってきているものの、及第点とまではいかないのではないのだろうか。
最近2戦で最も高いフェアウェイキープ率を出したのは、JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIPの2日目。64.286%で、1イーグル、6バーディ、ノーボギーの8アンダーとし、一気に首位に躍り出る会心のプレーを見せた。
ただ、その翌日は21.429%。4バーディ1ボギーと、まずまずのスコアではあるが、2位に後退する形となった。
■国内メジャー4勝目へ
もともと、ウェッジショットやパターは秀でていた。今のアイアンショットの安定感に、高いフェアウェイキープ率を掛け合わすことができれば、もっと多くの勝利を重ねられるはず。
日本ツアー復帰後初の優勝を2019年の日本プロで飾った。20勝目となる節目の優勝を今年の日本プロであげられるだろうか。
日本プロ2勝目、国内メジャー4勝目を目指す、まだ‟未完”の石川のティーショットに注目だ。
◆松山英樹と石川遼、コース難易度高い全米オープンでも武器になるほどウェッジショットが秀でている理由
◆前戦Vの石川遼は前年覇者の平田憲聖、22年チャンプの堀川未来夢と同組 全米シニアOP2位の藤田寛之も参戦
◆【男子ゴルフ】松山英樹や石川遼は今いったい何位……最新世界ランキング
著者プロフィール
野洲明●ゴルフ活動家
各種スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。より深くプロゴルフを楽しむためのデータを活用した記事、多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとにした論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。