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14日に函館競馬場で行われる第60回函館記念(GIII、芝2000m)の過去10年のデータを紹介する。
2走前にAJCCを制したチャックネイトに、GIIで2着2回の実績があるサヴォーナ、今年の中山金杯の勝ち馬リカンカブールや、一昨年の函館記念を勝利したハヤヤッコらが出走予定。
ここでは過去10年のデータから、予想のヒントになる「前走ローテ」を分析していく。
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■タフさ生きる馬場なら複回値380の天皇賞・春組
人気の中心となりそうなのがチャックネイト、サヴォーナらが該当する天皇賞・春組。過去10年で勝率14.3%、連対率28.6%、複勝率42.9%となかなかの好成績を残しており、回収値も単勝が268、複勝が380とどちらも高い。
しかしこのローテから函館記念で3着以内に入った3頭である22年のハヤヤッコ、17年のタマモベストプレイ、ヤマカツライデンの全てが函館記念当日は重馬場のレースでの激走だった。長距離GIというスタミナやタフさを生かすレース選択をされているだけに「重馬場×洋芝は持ち味が存分に活きる」ということだろう。チャックネイトは2走前に不良馬場のAJCCを勝利しているだけに、データ面との相性からも馬場が悪くなるようであれば重い印は必至だ。
目黒記念【2.2.0.7】エプソムC【2.1.0.8】巴賞【1.4.1.46】天皇賞・春【1.1.1.4】新潟大賞典【1.1.1.10】鳴尾記念【1.0.1.11】金鯱賞【1.0.0.0】むらさき賞【1.0.0.0】日経賞【0.1.0.3】マーメイドS【0.0.1.2】都大路S【0.0.1.2】大阪杯【0.0.1.1】烏丸S【0.0.1.0】ジューンS【0.0.1.0】NHKマイルC【0.0.1.0】
同じく上位人気が予想されるリカンカブール、ハヤヤッコは大阪杯からのローテーション。前走・大阪杯組は過去10年で2頭が参戦し、22年にはスカーフェイスが3着に入着。2017年のサクラアンプルールは9着に敗れたが、翌年の函館記念では2着に好走している。2頭とも中山での重賞好走歴があり、今年の中山金杯を制したリカンカブールとはタイプが近いとも言える。小回りコースでトリッキー、かつパワーも必要な中山コースをこなし、陣営から中距離GIにチャレンジして良いと判断される一定水準のスピード能力も持ち合わせた馬は函館記念で通用すると考えれば、リカンカブールにもある程度高い評価は必要だろう。
ハヤヤッコは一昨年の函館記念を勝利し、昨年も勝ち馬から0秒4差の5着でこのコースは絶好の舞台。今年も引き続き警戒したい。
過去10年で一番出走頭数が多い前走・巴賞組は【1.4.1.46】で勝率1.9%、連対率9.6%、複勝率11.5%と不振。巴賞で3着以内だった馬に絞ると【0.0.1.19】とさらに悪くなる。暑い夏場にタフな函館を短い間隔で走るのはかなり難しいと言うことだろう。今年このローテから出走予定のホウオウビスケッツ、デビットバローズはある程度の人気を集めそうだが、過剰評価はしないほうが無難か。
■勝率18.2%で最多2勝、エプソムC組の3着以内は100%連対
過去10年で最多の2勝を挙げ、勝率18.2%、連対率、複勝率27.3%と、全ローテ中トップクラスの成績を残している前走・エプソムC組。エプソムCで3着以内だった馬は、14年のダークシャドウ(2着)、16年のマイネルミラノ(1着)と函館記念で100%連対している。
今年このローテから出走を予定しているグランディアは、エプソムCでは6着だったものの、3着馬とはタイム差なし。展開次第では馬券内であった可能性は否定できず、着順以上に見どころのある内容だった。勝ち馬が強かったのもあるが、勝ち時計も直近10年で一番速く、メンバーレベルも高かった。そもそも、6走前にはむらさき賞で昨年の函館記念を制したローシャムパークから0秒1差の2着と能力の高さを見せており、今回のメンバーに入っても全く引けをとらない印象。洋芝への適正さえあればアタマまであってもおかしくない。
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