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16日(日本時間17日)に行われた“夢の球宴”MLBオールスターゲーム。日本選手ではドジャース移籍1年目の大谷翔平投手と、メジャー挑戦1年目の今永昇太投手(カブス)が選出された。メジャーデビュー年にオールスター選出となった日本選手は、今永が9人目となる。
今永は登板後に「後半戦に生きる登板になったと思う」と手応えを感じたようだが、過去の日本選手はオールスターの前・後半でどのように成績が変化したのか。今永の後半を占う意味でも比較してみた。
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■投手で後半戦成績を上げたのは千賀だけ
まず投手で見てみると、1995年の日本人初のオールスター出場となったパイオニア、野茂英雄に始まり、2007年の岡島秀樹、12年ダルビッシュ有、14年田中将大、23年千賀滉大の5人がメジャー1年目で選出された。
そのなかで前半戦より後半戦で成績を上げたのは千賀のみ。その他の投手は、オールスターに選出される前半戦での活躍を後半戦では見せることなく苦戦した。原因としては、対戦相手の研究が進んだこと。そして先発投手の場合は、NPB時代より過酷な中4日のローテーションによる疲労もあげられるだろう。
1995年 野茂英雄(ドジャース)前半:6勝1敗、防御率1.99、奪三振119→後半:7勝5敗、防御率3.03、奪三振117
2007年 岡島秀樹(レッドソックス)前半:2勝0敗4セーブ、防御率0.83→後半:1勝2敗1セーブ、防御率4.56
2012年 ダルビッシュ有(レンジャーズ)前半:10勝5敗、防御率3.59、奪三振117→後半:6勝4敗、防御率4.26、奪三振104
2014年 田中将大(ヤンキース)前半:6勝2敗、防御率2.07、奪三振77→後半:7勝3敗、防御率3.51、奪三振64
2023年 千賀滉大(メッツ)前半:7勝5敗、防御率3.31、奪三振113→後半:5勝2敗、防御率2.58、奪三振89
2024年 今永昇太(カブス)
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初のオールスターで好投した、カブス・今永昇太(C)Getty Images
前半:8勝2敗、防御率2.97、奪三振98→後半:?
しかし、投手でオールスター・ゲームに登板したのは実は野茂と今永だけ。野茂は先発し、2回1安打無失点3奪三振。“ドクターK”の名に違わぬ活躍を大舞台でも見せると、後半戦で7勝を積み上げ13勝(6敗)、防御率2.54で、日本人初の新人王を受賞した。
なお、田中はオールスター直前に右ひじの違和感で故障者リスト入りしたため出場を辞退したが、その他の投手はベンチには入るも登板機会が回ってこなかった。
■打者での後半成績アップはイチローのみ
打者は3選手がメジャー初年度でオールスターにファン投票で選出され、スタメンで出場。イチローは3打数1安打、松井は2打数1安打、福留は2打数無安打だった。
2001年 イチロー(マリナーズ)
マリナーズ・イチロー(C)Getty Images
133安打、5本塁打、41打点、打率.345→109安打、3本塁打、28打点、打率.356
2003年 松井秀喜(ヤンキース)114安打、9本塁打、66打点、打率.299→65安打、7本塁打、40打点、打率.269
2008年 福留孝介(カブス)91安打、7本塁打、36打点、打率.279→38安打、3本塁打、22打点、打率.217
メジャー1年目の今永は3対3で迎えた4回裏、4番手で登板し、3人のア・リーグを代表する打者を三者凡退に打ち取った。夢の舞台での登板を、後半戦での好投につなげることができるか。
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