【クイーンS/血統展望】複回収値300超えで“ベタ買い”推奨の種牡馬 「1800m巧者の母系」で初重賞Vへ | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【クイーンS/血統展望】複回収値300超えで“ベタ買い”推奨の種牡馬 「1800m巧者の母系」で初重賞Vへ

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【クイーンS/血統展望】複回収値300超えで“ベタ買い”推奨の種牡馬 「1800m巧者の母系」で初重賞Vへ
【クイーンS/血統展望】複回収値300超えで“ベタ買い”推奨の種牡馬 「1800m巧者の母系」で初重賞Vへ 全 1 枚 拡大写真

今週末は、第72回クイーンステークス(GIII、札幌芝1800m)が行われる。

不振からの復活を期するキングカメハメハ産駒スタニングローズ、札幌芝1800mでは馬券外がないルーラーシップ産駒ドゥアイズ、スムーズさを欠いたNHKマイルCのリベンジを誓うダイワメジャー産駒ボンドガールなど、多彩な血統構成の馬が集結。

ここでは、馬券検討のヒントとなる「血統」で本競走を攻略する。

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■“打率”に優れるゴールドシップ産駒

基本的に札幌開催のクイーンSは「父ノーザンダンサー系を買っておこう」というのがマイルール(過去10回で【3.3.1.7】、勝率21.4%、複勝率50.0%)なのだが、今年の登録馬に該当はゼロ。

想定が出るまでは「ベーカバド産駒のフィールシンパシーあたりを買えばいいのでは」と考えていたところ出走しないと聞いて密かに慌てた。

そんな今年のクイーンステークスで注目したのが札幌芝1800mにおける種牡馬傾向。

単純な成績だけ見ればドゥラメンテ産駒やルーラーシップ産駒などもかなりの成績を残しているが、2勝クラス以上の中・上級条件に限定すると、ゴールドシップとキズナの産駒が優秀な成績を残している。

ゴールドシップ産駒は複勝率50%で複勝回収率300%超、キズナ産駒も単複回収率100%超なので、該当馬がいればベタ買いくらいの意気込みでいたい。特にゴールドシップ産駒は重賞での打率も魅力で、ブラックホールの札幌2歳Sをはじめ、ここまで既に4連対の実績がある。

■根幹距離と非根幹距離は“上がり3F”に差が

一方でこれが2000mになると、ゴールドシップ産駒は重賞を含めてそれほど成績が振るわない。一般的に根幹距離より非根幹距離の方が上がりの時計がかかりやすいとされている。なるべく上がりのかかってほしいゴールドシップ産駒にとっては1800mの方が走りやすいという側面があるようだ。

ちなみに集計対象を中・上級条件に限定したのも上がり時計に関連している。

というのも下級条件だとスローで流れての上がり勝負になることが少なくないため。本来であれば上がりのかかる洋芝&非根幹距離が苦手な種牡馬の産駒でも、スタミナの要らない条件ならなんとか誤魔化しがきいてしまうこともしばしば。

例えばロードカナロア産駒は、通算の全体成績だと【5.2.1.19】で複勝率29.6%とまずまずの成績なのだが、2勝クラス以上に限定すると【1.0.0.6】であまり成績は振るわない。馬券になったのはステルヴィオのコスモス賞だけとなっている。

下級条件であればスタミナ要求度も相対的に小さいので距離をこなせてしまう一方、道中の負荷も大きくなる中・上級条件だと本質的な適性不足を露呈してしまう。ロードカナロア産駒についてはそんな傾向が出ていると言えそうだ。

キズナに関して考えてみると、現役時の父のイメージより切れない産駒が多いため、上がりのかかる洋芝かつ非根幹距離の条件で結果を残していると考えられる。

■注目したいゴールドシップの洋芝1800m適性

今回注目したいのは、ゴールドシップ産駒。該当馬のなかからコガネノソラをピックアップする。

オークス12着からの巻き返しを期す同馬は、オークス馬ユーバーレーベンなどが出たゴールドシップ×ロージズインメイのニックス配合。ゴールドシップ産駒は牝馬の方が成績が良いのでその点でもお手本どおりという感じだ。

コガネノソラの牝系はウインマリリンやウインマーレライなどが出たコスモチェーロの牝系。

コスモチェーロ牝系はフサイチペガサスからヘイローを引く(≒サンデー系種牡馬との配合でヘイロークロスが発生する)ことに加え、コスモチェーロの祖母エイプリルワンダーがフェアトライアル≒フェロッシャー2×2(フェアウェイ=ファロス、レディジョセフィンなどが共通)という強烈なニアリークロスを抱えているため、ここからフェアトライアル的、レディジュラー的な機動力がしっかりと伝わる傾向にある。

なのでマリリンは中山で男馬を相手にGIIを2勝し、マーレライは福島でラジニケを制し、コガネノソラの母マイネヒメルは函館の芝1800mで3勝を挙げたわけだ。

これを踏まえると、コガネノソラにとっても直線の長い東京からコーナーで動ける札幌に舞台が替わるのはプラスに働くと考えられる。

前走は距離を意識するがあまり位置を取れなかったのが敗因にあるだろうし、中2週続き、イケイケのローテーションによる目に見えない疲れもあっただろう。ひと息入れて実績のある1800mで普段着の競馬ができれば、古馬が相手でも斤量差を活かして十分にチャンスはあると見る。

1800mで勝った3戦はいずれも加速ラップで勝ち切っているように力は備えている。ゴールドシップの洋芝1800m適性とコスモチェーロ牝系の機動力でもってここは一発に期待したい。

あとは枠と週末の馬場コンディションを見つつ、最終結論に至りたい。

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著者プロフィール

ドクトル井上【重賞深掘りプロジェクト】血統サイエンティスト。在野の血統研究家。旧知のオーナーを中心として、セリや配合のコンサルティング業務を請負中。好きな種牡馬はダノンレジェンドとハービンジャー。苦手な種牡馬はMore Than Ready。凱旋門賞馬Ace Impactの血統表は芸術品なので、ルーヴル美術館に収蔵されるべきとわりと本気で考える三十路の牡馬。

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