
今週は新潟競馬場でアイビスサマーダッシュ(芝1000m)が行われる。昨年は3連単80万馬券の大波乱。特殊な施行条件ゆえ人気馬の凡走も珍しくない。
ここでは、過去10年からチェイスザドリームとウイングレイテストにフォーカスしたデータを取り上げる。
◆【まとめ】芸能人・予想家の「アイビスSD/クイーンS」本命・注目馬予想一覧
チェイスザドリームに「1.2.1.0」のプラスデータ
初の芝レースとなった前走韋駄天Sを勝利。高い芝適性と直線競馬への対応力をいかんなく示したのがチェイスザドリームだ。得意舞台を狙いすましたローテーションで挑む真夏の名物重賞。前走負かした馬が主力のメンバーでは上位人気も致し方ないが、好走の後押しとなるのがこちらのデータ。
・前走韋駄天Sを5番手以内で勝利【1.2.1.0】
該当馬すべて馬券内の“100%データ”に該当。すでに舞台適性がバレていることから人気馬が多いものの、軸信頼度は折り紙つきだ。
この中間は坂路で4F49秒台の猛時計。うだるような暑さの夏競馬を迎えて、さらに状態を上げている印象すらうかがえる。夏競馬は【3.1.0.0】と大崩れのない得意季節。ダートを主戦場としていた点から雨で力のいる馬場になっても問題ないだろうし、“夏女”が目指す重賞タイトル奪取は目前だ。
■ウイングレイテストに【0.0.0.9】の“鬼門”
チェイスザドリームとは対照的に、“0%データ”に該当してしまったのがウイングレイテストだ。前走函館スプリントSは2着と、自身初の芝1200m戦で好走。さらなる距離短縮で真価発揮を目論む本馬に出現したマイナスデータとは?
・父or母父ロベルト系【0.0.0.9】
該当馬はすべて掲示板外と“惜しい”とすら言えない成績に。ひと括りにはできないが、ロベルト系で想像するのはタフな馬場を苦にしないパワー。洋芝ならまだしも、オール野芝かつスピード最優先のアイビスSDではマイナスに働くとのデータだ。
本馬が今回背負う斤量は59キロ。過去10年でこの斤量を背負った馬は少ないが、58キロ以上で臨んだパドトロワ、ライオンボス、ネロは本レース連対歴がある舞台巧者にもかかわらず10着以下に沈んでいる。血統と斤量の二重苦に挑むウイングレイテスト。超えるべきハードルは決して低くない。
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著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。