【関屋記念/血統展望】「これでもか」と言うほど揃った好走パターン 推し条件満載で“狙うしかない” | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【関屋記念/血統展望】「これでもか」と言うほど揃った好走パターン 推し条件満載で“狙うしかない”

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【関屋記念/血統展望】「これでもか」と言うほど揃った好走パターン 推し条件満載で“狙うしかない”
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今週末は、第59回関屋記念(GIII、新潟芝1600m)が行われる。

サマーマイルシリーズ初戦の米子Sを制したイスラボニータ産駒トゥードジボン、前走NHKマイルCから臨むルーラーシップ産駒ディスペランツァ、条件戦を好タイムで勝ち上がったワールドエース産駒ジュンブロッサムなど、多彩な血統構成の馬が集結。

ここでは、馬券検討のヒントとなる「血統」で本競走を攻略する。

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■1400m実績馬との相性が悪い関屋記念

距離こそマイルなので1400m型の参戦も多いレースだが、近年は1400m以下の実績馬が苦戦する傾向にある。過去10年の関屋記念において、レース当日までに芝1400m以下の重賞で3着以内の実績があった馬の関屋記念における成績を調べると、その結果は以下のとおり。

▼芝1400m以下重賞で3着以内歴がある馬の関屋記念成績 2014-2023年【1-0-1-18】 勝率5.0% 連対率5.0% 複勝率10.0%

このようにかなり苦しい成績で、馬券になったのは14年のクラレント(4人気1着)と16年のマジックタイム(1人気3着)のみ。

聡明な読者さんは「ロータスランドは?」と思われるかもしれないが、同馬は当レースを制した21年時点では1400m以下重賞での実績は皆無。このレースを制した翌年に、京都牝馬S勝ちや高松宮記念2着などの実績を残した。そしてその後参戦した23年の関屋記念では3人気12着と人気を裏切る結果に終わったわけだ。

特に近年は短距離馬がしんどくなる傾向が顕著。上述のロータスランドの他、グルーヴィットやララクリスティーヌなど、1400m重賞の実績馬が人気を背負ってことごとくすっ飛んでいる。

■傾向変化の理由は“エアレーション作業”

ただ、以前からこうだったかと言えば決してそんなことはなく、2004-2013年を対象に同様の調査を行うと、その成績は以下のとおり。

▼2004-2013年【2-1-4-16】 勝率8.7% 連対率13.0% 複勝率30.4% 単勝回収率97% 複勝回収率119%

レッドスパーダ、レッツゴーキリシマの勝ち馬2頭に加え、フタ桁人気のマイネルスケルツィやリザーブカードなどが波乱を演出した。むしろ以前は「買い」だったのだ。

傾向が変わった理由を考えてみると、その候補として考えられるのは2013年から新潟競馬場で始まった夏開催前のエアレーション作業。

馬場をやわらかくして故障しにくい馬場を作るのが目的の作業だが、馬場がやわらかくなることでスピードが出にくい状況になるため、マイルより短いところに向いたスピードタイプの優位性が薄れたという仮説が成り立つのではなかろうか。

手探りだった導入初年度の13年こそ1400m実績馬が馬券になったとはいえ、年を経るごとにエアレーション管理、やわらかい馬場管理に対する知見が蓄積したことが、関屋記念におけるスタミナ要求度(≒スピード型の優位性の低減)として表れ、近年の短距離向きタイプの苦戦傾向として表出している、というストーリーは十分に考えられるだろう。

スタミナ要求度については種牡馬傾向にも表れていて、ダイワメジャー産駒はこの10年で5頭が出走し馬券なし、ロードカナロア産駒も6頭が出走して2着が1回あるのみ。クロフネ産駒やアドマイヤムーン産駒も結果が出ていない。

1400mベストでマイルはギリギリというタイプは苦しくなる点を押さえておきたい。

■プレサージュリフトは買い材料が満載

今回注目したいのは、マイル以上の重賞ウイナーを多数輩出するハービンジャー産駒。該当馬のなかからプレサージュリフトをピックアップする。

父はハービンジャー、母シュプリームギフトは札幌芝1200mのOP特別・UHB賞を制し、函館SS2着やキーンランドC3着など短距離で活躍した。

プレサージュリフトが属するアレッジドギフト牝系の特徴として、とにかく距離短縮に強いことが挙げられる。距離延長時の複勝率が20%ちょいなのに対して、距離短縮だとダブルスコアの複勝率47.1%。しかも芝レースに限ると複勝率は60%弱まで跳ね上がる。

このクセを解き明かすヒントはアレッジドギフトの父アレッジド。同馬の父父トムロルフがその母父ローマン由来の突進力を伝えるのがこの要因だろう。このパワーとスピードを色濃く伝えるがゆえに、アレッジドギフト牝系は距離短縮に強い特色があると推察される。

その一方でプレサージュリフトはハービンジャーの産駒。短縮に強い、短距離向きのアレッジドギフト牝系とは言え、欧州本格派を父に迎えたため、スプリントがベストという感じもない。実際に2走前、1400mの京都牝馬Sでは得意の距離短縮ローテながら11着に敗れている。

ただこれは1400m型が苦戦している近年の関屋記念の傾向から見るとむしろ好材料。マイルから1800mがベストということがハッキリしたので、個人的にはありがたいくらい。

今回、1800mのメイSからマイルへの距離短縮ローテというのは、牝系の特徴からも関屋記念の傾向からもこのうえない推し要素となる。

そのメイSではシルトホルン(次走エプソムC3着)、クルゼイロドスル(次走関越Sレコード勝ち)らを、実質のトップハンデでまとめて負かしており、格負けの心配もないだろう。というかそもそもGIIIのクイーンC勝ちがあるわけだし。

そのクイーンCを含め馬券になったのは全て左回り、近走は先行策を取れている、夏の新潟を得意とする木村厩舎の管理馬と、関屋記念で狙える条件がこれでもか! と揃った。こうなれば当然狙うしかないだろう。

あとは枠と週末の馬場コンディションを見つつ、最終結論に至りたい。

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著者プロフィール

ドクトル井上【重賞深掘りプロジェクト】血統サイエンティスト。在野の血統研究家。旧知のオーナーを中心として、セリや配合のコンサルティング業務を請負中。好きな種牡馬はダノンレジェンドとハービンジャー。苦手な種牡馬はMore Than Ready。凱旋門賞馬Ace Impactの血統表は芸術品なので、ルーヴル美術館に収蔵されるべきとわりと本気で考える三十路の牡馬。

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