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ドジャースの大谷翔平投手は16日(日本時間17日)、敵地ブッシュ・スタジアムでのカージナルス戦に「1番DH」で先発出場。5打席に立つも結果が出ず、今月6度目の無安打で試合を終えた。打率は.291となっている。
8月は14試合で5本塁打を放ったものの、月間打率「.164」と不調が続く。成績下降の原因はどこにあるのか。好調時と打撃指標を比較すると、思わぬ数字が浮かび上がってきた。
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■極端に低下した「インプレー打率」
大谷は今季ここまで120試合に出場し、打率.291、37本塁打、86打点、35盗塁、OPS.984と非の打ち所がない好成績を残しているが、8月からの打撃が振るわない。打率が低下し、4月6日(同7日)から維持してきた「打率3割」をついに割ってしまった。要因のひとつに挙げられるのが、「インプレー打率」と呼ばれるものだ。
インプレー打率「BABIP(Batting Average on Balls in Play)」とは、本塁打を除くインプレーの打球が安打になった割合を示すもの。長期スパンで見ると“3割前後に収束する”とされており、メジャーリーグ全体の直近10年間を見ても、毎年.290から.300に収まっている。極端に逸脱した選手は揺り戻しがくるケースがほとんどだ。走力や打球速度が優れた選手の方が高い数値が出やすく、とりわけ投手にあてはまりやすい指標という点は抑えておきたい。
MLB公式のデータページ『Baseball Savant』によると、大谷はこのBABIPが8月はわずか「.111」に留まっている。月別で見ると、3月4月が.378、5月.274、6月.385、7月.344と高水準。BABIP.111は、今月50打席以上立ったメジャーの打者でワースト。この違いが打率低下を招いた理由のひとつと言えるだろう。
■単なる「不運」だけではない変化も
一方で、打撃指標に目を向けると、平均打球速度が6月7月に比べ5マイル前後(約8.05キロ)低下しており、毎月60%前後を記録していたハードヒット率(95マイル以上の打球割合)が46.7%まで落ちている。強い打球が打てず、野手の間を抜けないケースが増えた可能性も高い。空振り率、三振割合に極端な変化は見られないが、四球率が低下しており、ポップフライも増加。不運だけで片付けられない要素も散見される。
負傷者が続出のドジャース打線で、ここまで獅子奮迅の活躍を見せてきた大谷。ファンの不安は膨らむばかりだが、長いシーズンでは思うようにいかない時期もあるだろう。再び、猛打爆発を見せてくれる日々もそう遠くはないと信じたい。
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