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ポストシーズンに向けた争いも激しさを増すMLB。各タイトル争いもいよいよ佳境を迎えようとしている。大谷翔平投手の「50-50」やアーロン・ジャッジ外野手の2度目となる60本塁打越えなどメモリアルな記録達成も期待されており、チームの順位以外にも注目ポイントが目白押しだ。
タイトル争いとは直接関係しないが、最近では様々な新しい指標が導入されている。投手、打者ともにこれまでとは違う価値観で選手を測る指標として試合観戦時に覚えておくと、よりゲームを楽しめることだろう。
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■絶好調ジャッジは両リーグトップ
様々な指標の中でも、最近話題なのが「No Doubters」という指標。MLBの公式データサイトである『Baseball Savant』が採用しているこの指標は、日本語にすると「疑いようのない」という意味となる。この指標は、“どれだけ文句なしの本塁打を放っているか”というもの。全30球団あるMLBにおいて、グラウンドの大きさは各球団異なる。自チームのホームグラウンドが小さければホームランは出やすいし、大きければ逆にホームランは出にくいと考えるのが一般的だろう。そんなグラウンドごとの差をなくした上で、ホームランがどれくらい出ているかを示す指標が「No Doubters」なのだ。
この指標では打者が放ったホームランを「Doubters」、「Mostly Gone」、「No Doubters」の3つに分類している。「Doubters」は全球場のうちでホームランになるのは7球場以下、「Mostly Gone」は8~29球場でホームランになる、「No Doubters」は全30球場でホームランになるといった具合。“全30球場どこで打ってもホームランになる大きな飛距離の打球をどれだけ打ったか”がこの「No Doubters」のポイントといえるだろう。
全リーグ対象で1位に輝いているのは、やはりヤンキースのジャッジ。51本中27本が「No Doubters」に分類されている。そして2位は大谷で41本中25本、3位はヤンキースのフアン・ソト外野手で37本中23本といった具合のランキングとなっている。リーグ別に見てみるとア・リーグはジャッジ27本、ソト23本についでアスレチックスのブレント・ルーカー外野手が20本で3位となっている。
【動画】ヤンキース ソト&ジャッジ&スタントン圧巻の3者連続弾
一方、ナ・リーグは1位の大谷25本についで、2位がブレーブスのマルセル・オズナ外野手で20本、そして3位がメッツのピート・アロンソ内野手の17本となっている。各リーグのホームランランキング上位に名を連ねている選手が独占しているため、純粋にホームラン数が多ければ「No Doubters」が出る可能性も高いという結果になっている。
■浮かび上がる隠れた強打者
しかし、この指標は掘り下げると、隠れた強打者を見つけられるのが面白い。例えば「No Doubters」が占める割合でみると順位が少し変わってくる。ア・リーグ1位は先述したアスレチックスのルーカーで30本中20本が「No Doubters」となっておりその割合は66.7%。そしてナ・リーグ1位にランクインするのが「No Doubters」の本塁打数では全体9位のマーリンズのジェイク・バーガー内野手で25本中16本が「No Doubters」で64%となっているのだ。
【動画】ジェイク・バーガーの豪快ホームラン
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— Miami Marlins (@Marlins) August 17, 2024
2017年のドラフトでホワイトソックスから1巡目指名(全体11位)されたバーガーは、2023年途中からマーリンズに所属の今年28歳となる期待の選手だ。今シーズンはここまで、109試合に出場し打率.248、ホームラン25本、打点59、OPS.776とナ・リーグ東地区最下位に沈むマーリンズにおいて孤軍奮闘の状態が続いている。「No Doubters」の割合もナ・リーグ1位ということから、来年以降もホームランのタイトル争いに絡んでくる活躍をみせてもおかしくはない。
このように、“隠れた強打者”や今後活躍が期待される選手を見つけ出すのにも有効な指標「No Doubters」。大谷やジャッジの数字を追いかけながらも、“ダイヤの原石”を探し出す参考にしてみてはいかがだろうか。
※成績は28日(日本時間29日)試合開始前時点
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