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メジャー3年目、好調なスタートを切ったカブスの鈴木誠也外野手だったが、4月中旬から5月初旬は右脇腹の張りで負傷者リスト(IL)入り。5月の打撃は低調に終わるも、以降は徐々に復調し、8月に入るとOPSがリーグ7位の.843に急浮上(日本時間9月2日時点)するなど、その勢いは止まらない。データによると、打撃好調の要因は年々上昇する打球速度にあるようだ。
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■今季1号に凝縮されていた好調の“兆し”
4月2日(同3日)、鈴木の今季1号本塁打はセンター、バックスクリーンへの弾丸ライナー。自己最速の打球初速115.0マイル(約185.1キロ)の豪快なアーチで幕を開けた。
【動画】鈴木誠也の今季1号アーチ
Outta here!
Seiya Suzuki hits his first homer of the season. ?? pic.twitter.com/IFC4l65XBB
— MLB (@MLB) April 2, 2024
この一撃を、カブス専門の米スポーツサイト「ブリーチャー・ネーション」がSNSで「カブスで歴代3位の記録」と紹介。
MLBのデータ解析ツール「スタットキャスト」が導入された2015年以降、2018年のカイル・シュワーバー外野手(現フィリーズ)の117.1マイル、2022年5月のウィルソン・コントレラス捕手(現カージナルス)の116.0マイルに次ぐ記録となったが、この打球速度が今季の鈴木の好調の要因の一つとなっている。
平均打球速度は、メジャー初年度の89.6マイル(約144.2キロ)から、2023年は91.4マイル(約147キロ)、そして今季は91.5マイル(約147.3キロ)と向上。最高打球速度も111.3マイル(約179.1キロ)から、114.6マイル(約184.4キロ)、そして今季の115.0マイル(約185キロ)と年々上昇しているのだ。
■得意の9月到来、ワイルドカード獲得に貢献できるか
8月24日(同25日)のマーリンズ戦、今永昇太投手が10勝目を挙げ、同試合で鈴木は2打席連続アーチとタイムリー三塁打を放ち、カブスは日本人選手が1勝、もう一人が3長打を記録したメジャー史上初のチームとなった。その試合で3回に放った本塁打の打球速度は110.3マイル(約178キロ)。4月の115.0マイルに次ぐ速度を記録したが、8月は本塁打以外の打球でも110マイル超えは3・4月の4本と並ぶなど、打球速度が好調のバロメーターとなっている。
【動画】鈴木誠也の今季18号アーチ
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カブス・鈴木誠也????
確信!圧巻の2打席連続ホームラン!
\止まらない鈴木
18号2ランホームラン!#CHCMIA #鈴木誠也 #SPOTVNOW で見逃し配信をチェック?? pic.twitter.com/3DU39zFRWg— SPOTV NOW JAPAN (@SPOTVNOW_JP) August 24, 2024
ちなみに2本塁打をマークした試合を含め、22日(同23日)から28日(同29日)までの1週間は、打率.452(リーグ3位)、OPS1.399(同2位)、本塁打3(同1位タイ)、打点8(同7位タイ)と大爆発した。
2023年の8月は打率.321、本塁打5、OPS1.006、そして9・10月は打率.370、本塁打7、OPS1.119と絶好調だった鈴木。今季も残り1カ月、チームは2位に浮上し、ワイルドカードも射程圏内と好調のチームをポストシーズン進出に導くことができるか。鈴木の打撃からは、ますます目が離せなくなりそうだ。
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