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両リーグ最速でリーグ優勝決定シリーズ(LCS)進出を決めたメッツ。2年ぶり11度目のポストシーズン(PS)進出を、レギュラーシーズン終了後に確定し、ワイルドカードシリーズ(WC)、地区シリーズ(DS)を劇的な逆転勝利で勝ち進んできた快進撃は、まさに“ミラクル・メッツ”再現を予感させる。メッツはこのまま頂点に駆け上がるのか。
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■お荷物球団が起こした“ミラクル”
1957年シーズン終了後に、ドジャースとジャイアンツが西海岸へ移転し、62年のエクスパンション(球団拡張)によって誕生したメッツ。ブルーとオレンジのチームカラーは、この2チームのカラーを継承している。発足1年目の120敗は、今季ホワイトソックスが更新(121敗)するまで、MLBのワースト記録だった。
その後の7シーズンは最下位かブービーが定位置で、お荷物球団と呼ばれていたメッツだが、69年に100勝62敗で地区初優勝。快進撃はポストシーズンでも止まらず、ブレーブス、オリオールズを破ってワールドシリーズ制覇を果たした奇跡は “ミラクル・メッツ”と称された。その“ミラクル”から55年、メッツが再び奇跡を起こしている。
シーズン最終日になってもナ・リーグのワイルドカード残り2チームが決まらず、翌日に順延となっていたブレーブスとのダブルヘッダーでPS進出が決定。中地区優勝のブルワーズとのワイルドカードシリーズは主砲、ピート・アロンソ内野手の逆転3ランでDSに進出すると、東地区優勝のフィリーズとのDSでも、フランシスコ・リンドーア内野手の逆転満塁本塁打でLCS進出を決めた。
■ “シロクマ”と“ドジャースキラー”
9年ぶりのワールドシリーズ進出に向け、西地区優勝のドジャースに挑むLCSで活躍が期待されるのが“シロクマ”と“ドジャースキラー”だ。
2019年のメジャー1年目にMLB史上初の50本塁打(53本塁打)超えで本塁打王を獲得し、新人王にも輝いたアロンソは、温和な性格と筋骨隆々の風貌から “シロクマ(ポーラーベア)”の愛称でファンに愛されているが、今季終了後にFAとなり去就も注目されている。
PS史上初となった、WC第3戦の負ければ終わりの9回以降に放った逆転本塁打をはじめ、DSまではチームトップの3本塁打、7四球、同2位の6打点、OPS1.160と絶好調のアロンソ。FA直前の年で有終の美を飾れるか。
そして、4月20日(日本時間21日)の直接対決で放った決勝の3ランをはじめ、対ドジャースのシーズン通算打率.333の伏兵、スターリング・マルテ外野手。PSではここまで20打数4安打と今ひとつだが、得意のドジャース相手に再び打棒が復活するか。この4月の対戦カードの告知ポスターを米スポーツ専門局『FOXスポーツ』がSNSで画像を投稿しているが、そこにはアロンソと大谷翔平投手をメインに、マルテとムーキー・ベッツ外野手とのマッチアップがキービジュアルになっていた。
【画像】4月の直接対戦時のポスター
It's NY vs LA tonight 🍿👀
The @Mets take on the @Dodgers at 4PM ET on FS1. pic.twitter.com/jCbuKTg2wt
— FOX Sports: MLB (@MLBONFOX) April 20, 2024
シーズンでは2勝4敗と、ドジャースに軍配が上がった直接対決だったが、勢いに乗るメッツがLCSではリベンジを果たし、9年ぶり5度目のワールドシリーズ進出となるか。“シロクマ”と“ドジャースキラー”のバットに刮目しよう。
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