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フィリーズは17日(日本時間18日)、阪神からポスティングシステムでメジャー移籍を目指していた青柳晃洋投手とマイナー契約を結んだと発表した。2月から米フロリダ州で行われる春季キャンプには、ロースター外の招待選手として参加することになるという。MLB公式サイトなど米複数メディアが伝えている。
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■交渉期限ギリギリで合意
昨年12月4日から交渉をスタートさせた青柳。与えられた期間は45日間で、期限は米東部時間17日午後5時(同18日午前7時)だった。交渉リミットとなったこの日、時間までに契約合意を伝える情報はなかった。しかし、期限を超えてから発表となり、契約は交渉期限終了の直前でまとまった模様だ。
フィリーズのホルヘ・ベランディアGM補佐は、青柳について「彼の独自性・ユニークさが気に入っている。サイドスローは(メジャーでは)あまり見かけない。彼は日本で戦士のように活躍してきた。先発もリリーフも務めてきたし、様々な経験を積んできた選手だ。ただ、ここに来て自分の力を見せてほしい。彼は戦士であり、メジャーで投げるチャンスをつかみたいと願っている」とコメントした。
青柳は2015年ドラフト5位で阪神に入団。徐々に頭角を現し、先発ローテーションに定着。21、22年には13勝を挙げて最多勝&最高勝率の2冠を2年連続で獲得した。昨シーズンこそ12登板で2勝に終わったが、9年間で61勝47敗、防御率3.08の成績を残した。
■「チームの新たな武器」
フィリーズにはかつて井口資仁内野手(07、08年)と田口壮外野手(08年)が所属。しかし、近年は大谷翔平投手、山本由伸投手、佐々木朗希投手ら日本の有望選手にアプローチしたものの、いずれも獲得に失敗した。
今回の青柳との契約は、日本市場への再参入を目指す球団にとってもターニングポイントとなる可能性がある。同GM補佐は「これはすべての関係者にとって良いことだ。我々は日本の市場もスカウティングしているが、その担当者にとっても良いこと。今回のことで、今後どういう展開があるのか、注目したい」と話し、日本の有望選手獲得にかける思いをにじませた。
さらに「サイドスローの投手というのは、これまでチームが持っていなかった新たな武器だ。面白いと思う。ロースター枠を獲得するのは難しいかもしれないが、彼がフィリーズを選んでくれたことをうれしく思う。私たちは彼に、ここが素晴らしい場所であることを伝えた」と話した。
フィリーズの先発陣はザック・ウィーラーやアーロン・ノラら好投手が控え、ローテーションはほぼ確定。ブルペン陣も8人中7人まで埋まっており、この最後一枠を青柳は狙うことになりそうだ。
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