
ロッテからポスティングシステムでメジャー移籍を目指していた佐々木朗希投手の新天地が、ドジャースに決まった。17日(日本時間18日)、自身のインスタグラムで発表した。結局、当初から本命視されていたチームに落ち着いたが、米地元紙『ロサンゼルス・タイムズ』が決断理由について考察している。
◆佐々木朗希のドジャース入り、山本由伸との“重要な会談”が決め手か 「7年間は西海岸で圧倒的な支配が続く」と米メディア
■「スターであることより成長優先」
『ロサンゼルス・タイムズ』は同日、「ロウキ・ササキはドジャースに入団することで、チームのトップスターであることよりも成長を優先した」と題し、ディラン・ヘルナンデス記者の記事を公開した。
同記者は昨季ドジャースの投手陣に負傷者が続出したことを念頭に、「ササキがドジャースにキャリアを託すのが正しかったかどうか、議論の余地がある。チームは質の高い投手を輩出している一方で、近年は彼らが育てた投手が大きなケガを負う割合が高い」と指摘。成長過程にある佐々木にとってベストな環境か、という疑問に対して理解を示した。
それでもドジャースが選ばれた理由について、同記者は「6人制ローテーション」の採用を挙げた。「どのように育成するかについて不確実性があるとしても、ドジャースはササキにこれだけは約束できる。君は6人制ローテの一員だと」。
メジャーでは通常5人の先発投手を中4、5日で起用するが、層の厚いドジャース投手陣であれば、6人制による中5日という登板間隔を堅持可能。この恩恵として、メジャー1年目の佐々木はいきなりのフル回転を避けつつ、新たな環境への順応を進めることができる。
■健康を維持するためにも重要
同記者は「ササキが検討したパドレスやブルージェイズなどの他のチームも同様のプランは提示できただろう。しかし、実行を保証できるのはドジャースだけだ」と断言。日本でロッテ首脳陣が慎重に対応していたことを振り返り、メジャーでも急激に球数を増やしたりせず、健康を維持するためにも6人制ローテは重要と訴えた。
そして「ドジャースの若手投手に関する実績は不安を感じさせるが、勝利の可能性を損なうことなく、6人制ローテを効果的に運用できる選手層を持つチームはドジャース以外にない」と念を押した。
代理人のジョエル・ウルフ氏は昨年末、「ロウキは完成品ではない」とした上で、「彼は長期的かつグローバルな視点を持っている。投手としての成長に対して、チームがどのようにサポートし、さらに向上させてくれるのか。近い将来だけでなく、キャリアを通じて非常に関心を持っている」と話していた。ドジャースの「6人制ローテ」が、佐々木の決断を後押しした可能性は高そうだ。
◆大谷翔平はカナダ行きの飛行機に乗らず、佐々木朗希にも振られ……悲痛のブルージェイズに米記者同情「トロントの皆さん、お気の毒です」