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2024年シーズンはキャンプ初日で発覚した肩の怪我に加え、復帰初戦でのふくらはぎの負傷によりシーズン1試合の登板に終わったメッツの千賀滉大投手。ナ・リーグ優勝決定シリーズでは、敵地ドジャースタジアムでサプライズ先発したものの2回途中3失点でノックアウトされるなど、順風満帆だったルーキーイヤーと比較して2年目シーズンは苦いものとなってしまった。
2025年はショーン・マネイア投手に次ぐローテーション2番手として大車輪の活躍が求められる。千賀が一体どこまで成績を伸ばせるのか? 米データサイト『Fangraphs』が算出した予想成績とともに紐解いていこう。
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■空振り奪取能力はリーグ屈指
『Fangraphs』の成績予想システムSteamerによると、今季の千賀は36試合に登板、11勝9敗、防御率3.78、WHIP1.28という成績になることが予想されている。新人王2位、サイ・ヤング賞7位に入ったルーキーイヤーほどではないがローテ2番手としてはまずまずの成績だと言えるだろう。
MLB公式のデータサイト『Baseball savant』が掲載している投球データ(2024年シーズンは登板数が少ないため、2023年シーズンのデータとなる)を参照すれば、千賀の投球におけるRun Value(※得点価値。投手の場合は相手の得点価値をどれだけ減らしているかの指標として使われる)は、Pitching Run Value、Fastball Run Value、Off-speed Run Valueの3項目で最高評価を受けている。
また、打者がスイングした際にどれだけ空振りをとったかを表す指標Whiff%は「29.7」、三振率を表す指標K%「29.1」といずれもリーグ上位の成績。狙って三振を奪える投球を行なっていたことがわかる。
■課題はスイーパーと制球力か
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特に優れていたのが、代名詞でもあるフォークボールだ。ゴーストフォークとも言われる落差の大きいフォークは被打率「.110」、Whiff%「59.5」と非常に効果的で、わかっていても打てない決め球的な存在として効果的だったのだろう。一方で、スイーパーに関しては改善が必要な球種かもしれない。RunValueでは全球種の中で唯一マイナス評価となっており、被打率.333、K%「4.2」と各種指標も低く、球質の改善および組み立てを行う際は工夫が必要だろう。
そして課題となるのはコントロールか。2023年に与えた四球は77個。四球率を表すBB%は「11.1」とリーグ平均以下となっている。先発として長いイニングを消化する上で球数も多くなってしまうことは決してプラスにはならないがゆえ、こちらも今シーズンはどのように改善するのか注目したい。
史上最高額でフアン・ソト外野手を獲得、チームのフランチャイズプレイヤーであるピート・アロンソ内野手の残留など今シーズンもナ・リーグ東地区優勝候補の一角となっているメッツ。千賀の活躍の有無は、シーズンの順位を大きく左右することになりそうだ。
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