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卓球女子の張本美和(木下グループ)は昨夏のパリ五輪に団体戦3人目のメンバーとして初出場し銀メダル獲得に貢献。国内でも全日本卓球選手権で2年連続決勝進出を果たすなど、早田ひな(日本生命)に次ぐ存在として評価を高めている。
現在は世界ランキング6位につける16歳に対して、中国メディアが名手の言葉とともに新たな脅威として紹介。上位を窺う存在として警戒を強めている。
◆16歳・張本美和は「中国女子の優位性を崩す唯一の選手」 元世界1位の伝説的選手が指摘の可能性「ミマ・イトウですら……」
■「優位性を崩す唯一の選手」
中国メディア『捜狐』が1日に伝えたのが「ワルドナー、次の2つのサイクルで中国女子卓球界の優位性を揺るがせるのは一人だけ」と題された記事。1992年バルセロナ五輪の男子シングルスで金メダルに輝いた元世界1位、ヤン=オベ・ワルドナー氏(スウェーデン)の発言を引用する形で新たな女子の勢力図を分析している。
記事内では世界ランキング1位の孫穎莎をはじめ、トップ4を中国勢が占める現状に触れたうえで、「世界の卓球界において、中国女子卓球チームの優位性を崩すことができる唯一の選手」と紹介。各選手が年齢を重ねはじめ、移行期に入りつつある中国選手の現状に触れつつ、日本の16歳の可能性を指摘している。
昨年の10月に行われたアジア卓球選手権で、エースの早田を負傷でベンチに置いたなか、張本美は主力を担い奮闘。決勝では王芸迪とこれまで未勝利だった孫穎莎を下す2点取りで金メダル獲得の立役者となった。「日本の優勝はミワ・ハリモトの貢献とは切り離せられない。彼女がいなければ、日本チームはアジア選手権でこのような成績を残すことができなかった」と50年ぶりの偉業に欠かせない存在だったとしている。
記事では張本美について「基礎技術が非常にしっかりしている」と分析したうえで「年齢面で大きな優位性を持っている」とその若さに言及。「ミワ・ハリモトにあと2年を与えれば、中国女子チームの優位性に本当に挑戦できるかもしれない」と18歳を迎えるころにはさらなる進化が見込めると期待している。
中国が上位を占めている現状のなか、スウェーデンのレジェンドから勢力図を塗り替え得る存在と期待をかけられた張本美。今年は5月に世界卓球の個人戦も控えるなか、どのような成長曲線を描いていくのか。
◆早田ひな、孫穎莎も評価した成長の跡「勝てて幸運だった」 世界女王が見せた振る舞いも注目「握手の際にラケットで……」
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