
米メディア『シアトル・スポーツ』は20日(日本時間21日)、「ギルバートがマリナーズの才能あるチームメートをサポート」と題した記事を公開。藤浪晋太郎投手の話題を取り上げた。
キャリアを通して制球難に苦しむ藤浪に対して、同僚のエース右腕ローガン・ギルバート投手が意外なアドバイスを贈ったと報じている。
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■「メカニクスにこだわらない」
現在27歳のギルバートは、昨季33試合に先発し防御率3.23。打線の援護が極端に少なく9勝12敗に留まったものの、ア・リーグトップタイのクオリティスタート22回を記録した。四球率4.6%はメジャー上位5%の少なさで、長身から投げ下ろすフォーシームは平均96.6マイル(約155.4キロ)を誇る。
同記事では、ギルバートと藤浪が交わした会話の一部を紹介。ギルバートは「ストライクゾーンの攻め方や、マウンドでの思考について話し合った」と明かし、制球が課題の藤浪にアドバイスを贈ったという。
練習序盤ではバランスや歩幅、腕の角度、タイミングなどを意図的に変えながら投球し「わざと違う動きをしてみることで、身体が自然に適応できることを確かめているんだ。ストライクゾーンに集中するのが大切なので、同じ動きを繰り返すことに固執しすぎるのは良くないと思っている」とし、メカニクスに囚われがちな藤浪とは違った視点のアプローチを伝えたそうだ。
■ギルバートとの重要な共通点
投球分析に定評があるマリナーズは、このような練習をギルバート以外にも平地でのウォームアップに取り入れており、肉体の「適応能力」を重視しているとのこと。『シアトル・スポーツ』は、マリナーズは藤浪が投球フォームのメカニクスに神経質過ぎることを懸念。恵まれた才能を生かして、シンプルに身体に任せて欲しいと思っていると報じた。
また同記事は、ギルバートと藤浪には重要な共通点があり、どちらも身長が6フィート6インチ(約198.1cm)だと注目。「背が高くて細身の選手は、ブルペンでどれだけ練習しても同じ投げ方を繰り返すのが難しい。ギルバートや他の同僚は、身体や筋肉が自然と反応するように鍛える方が効果的だと気づいたのだ。同じ身長のエース右腕が最高のお手本になるかもしれない」と成功例を挙げ、藤浪の飛躍にも大きな期待を寄せた。
現在マリナーズのブルペンは、2人の「故障組」が戦列に戻るまで空席がある。19日(同20日)のオープン戦では最終回に登板し初セーブ、21日(同22日)には、走者を背負いながらも5試合連続無失点で乗り切った藤浪。投手王国で秘めたる才能を開花させることができるか。
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