
20日、第85回皐月賞(GI、芝2000m)が中山競馬場で行われる。
今年は、ホープフルSを制して無敗で1冠目を狙うクロワデュノールの1強ムード。そこへ、そのクロワデュノールに東スポ杯2歳Sで肉薄したきさらぎ賞1着馬サトノシャイニング、藤田晋オーナー所有の3戦3勝馬エリキングに加えて、弥生賞を制したファウストラーゼン、スプリングS勝ちのピコチャンブラックら重賞ウイナーがどこまで2歳王者に食い下がれるかという構図。
ここでは過去10年のデータから「配当傾向」、「人気傾向」を分析して、レース傾向および“儲かる買い方”をジャッジする。
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■単勝1倍台の1人気なら逆らえない
過去10年において、1番人気が【2.0.3.5】で、勝ち馬は2020年のコントレイル、19年のサートゥルナーリア。今年はクロワデュノールが断然の1番人気を背負うことになりそう。近年は不振であるものの、1986年以降、単勝1倍台は【5.0.1.1】勝率71.4%を記録。数年に1度出現しており、ミホノブルボン、ナリタブライアン、アグネスタキオン、ディープインパクト、サートゥルナーリアが1冠目を制した。
人気を裏切ることとなったのは1998年スペシャルウィーク(3着)と2009年ロジユニヴァース(14着)。ロジユニヴァースに騎乗した鞍上の横山典騎手は自身が原因といったようなコメントをし、はっきりとした敗因はわからなかったとされているが、スペシャルウィークは内有利の馬場の中、大外18番枠が響いたことが敗因。当時は皐月賞前週まで芝の内側を使わず、皐月賞週に内柵を内に戻すといったやり方で芝の保護を行っており、現代よりもさらに内有利の傾向にあった。それを考慮すればほぼほぼ単勝1倍台は勝ち負けと言え、クロワデュノールを疑う余地はないだろう。
単勝1倍台が勝った年の2着はいずれも3番人気以下で、2番人気以内同士のワンツー決着にならず。過去10年においても、1+2人気のワンツー決着は0回。3番人気以内同士も2回のみで上位人気だけで決まることがあまりない。そのため、馬連の平均配当4514円、馬単が8990円と桜花賞のそれを上回る。想定2番人気のサトノシャイニングは疑いたくなるところで、2列目は高めを狙っていいシーン。
上位3頭総崩れだった年は10回中2回あり、9番人気アルアインが勝利した2017年、7番人気エポカドーロが勝利した18年。残る8回中7回は3番人気以内2頭が馬券内と堅実だが、ヒモ荒れはしばしば発生する。3連複の平均配当は2万8308円、3連単は17万1907円で2017、18年が配当を押し上げている。
■穴騎手は要チェック
伏兵は単勝オッズ7.0~49.9倍の4~9番人気の馬で【4.6.4.43】と、毎年少なくとも1頭が好走を果たしている。このうち、外国人騎手が【0.1.1.3】。また、騎乗機会2回以上で結果を出した現役のジョッキーは、松山弘平、戸崎圭太、田辺裕信、M.デムーロ、藤岡佑介、浜中俊。松山騎手は【1.1.0.0】と伏兵での好走が目立ち、ジョバンニに追い風。昨年コスモキュランダ(7人気→2着)と好騎乗が光ったモレイラ騎手に手替わりするミュージアムマイルも軽視禁物だ。藤岡佑騎手のキングスコールや戸崎騎手のカラマティアノスもノーマークにはできなさそう。
2桁人気馬は【0.0.1.81】で2017年、12番人気のダンビュライト(3着)以降は出現していない。基本的に無理な大穴狙いは禁物だが、ディープインパクトが勝利した年は2着にシックスセンス(12人気)。混戦ムードならば穴狙いも無理筋ではない。
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◆著者プロフィール
シャト美(しゃとみ)馬とお酒をこよなく愛する競馬女子。シャト美の由来は、強さと美しさを兼ね備えた名馬タイキシャトルより。馬券は無駄な買い目を削ぎ落とし、少点数の馬連、馬単、ワイドがメイン。現在はUMAJIN内『競馬サロン』にて予想コラム、『SPREAD』では、シビアに馬券と向き合う「高配当メソッド」を執筆中。