
ア・リーグ西地区において、現在16勝14敗で2位につけているアストロズ。今季開幕前には、球界屈指の二塁手としてアストロズの黄金期を支えてきたホセ・アルトゥーベを左翼にコンバートしたことで話題となった。長らく守った二塁手のポジションを明け渡すことに関して、ベテランならではのためらいがあったかと思いきや、打診された際に本人はそのアイディアをすんなりと受け入れたという。
そんなベテランが先週、チームを率いるジョー・エスパダ監督に対してある提案をしたことが話題となっている。異例とも言える提案とは打順の変更、アルトゥーベが“直談判”に至った経緯などを紹介する。
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■本人からの希望で2番に配置転換
今シーズン開幕から1番打者で出場を続けてきたアルトゥーベだが、4月28日(日本時間29日)に行われたタイガース戦から2番を務めている。実はこれは本人からの希望だったというのだ。MLB公式サイトに掲載された記事「Altuve talks his way into two hole, then bat speaks loudly with HR」では、その理由を赤裸々に語っている。
この提案は「打席に入るまでの準備に時間をかけたい」というものだったという。記事内でアルトゥーベは「イニング間に左翼からダッグアウトに駆け込み、打席の準備に時間をかけられるようにしたいんだ」と語るなど、コンバートによってベンチまでの距離が遠くなったことにより、1番バッターとして出場することの困難さを語っている。
確かに1番打者として出場すれば、初回の攻防の後に間髪入れずにバッターボックスに入ることになり、左翼のポジションから戻ってくるのにはいささか時間がかかるように思える。2番打者であれば、多少なりとも時間の余裕ができることでアプローチに余裕が生まれるというわけだ。
■変更初日からいきなり好結果
アルトゥーベは、この打順変更に伴ってリードオフマンを務めることになったアストロズの成長株ジェレミー・ペーニャに関しても「ジェレミーは本当にいい調子だと思う。ベース上でとてもダイナミックだ」と言及。今回の打順変更によりチームがより良い状況になることを確信しているという。
一方のペーニャも「将来殿堂入りするだろうアルトゥーベが自分の後ろに控えているというのは素晴らしいこと。投手陣も違ったアプローチで攻めてくるだろうと分かっている」と語るなど、この打順変更をポジティブに受け入れているようだ。
実際に、打順変更後の試合では4打数2安打、1本塁打、打点3とさっそく結果を出したアルトゥーベ。長打もありながら、バントなどの小技もできるオールラウンダーが2番打者になることで、チームとしての引き出しも増えるはず。この打順変更により、アストロズがより上位に食い込むことになるかもしれない。
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